
【ライブレポート】Beth Gibbons JAPAN TOUR を観た
2025年12月3日。
気温10℃を下回る寒さの中、ZEPP NAMBAで行われた Beth Gibbons JAPAN TOUR を観てきた。
90年代のトリップホップを象徴するバンド Portishead のフロントマンであり、唯一無二の歌声を持つベス・ギボンズ。
FUJI ROCK 2024 以来の来日で、ワンマン公演は貴重だ。
Portishead名義での来日はこれまでなく、今回のツアーはファンにとって実質的な「初の単独体験」でもある。
開演前、場内は静かだが熱量のある空気に満ちていた。


セットリスト
- Tell Me Who You Are Today
- Burden Of Life
- Floating On A Moment
- Rewind
- For Sale
- Mysteries
- Lost Changes
- Oceans
- Tom The Model
- Beyond The Sun
- Whispering Love
〜encore〜
- Roads
- Glory Box
- Reaching Out
青い照明の中で立ち上がる “Lives Outgrown”
今回のライブは、新作アルバム『Lives Outgrown』を軸にした構成だった。
その全曲が演奏され、作品の流れをそのまま追体験するような内容だ。
青い照明を中心にした演出が印象的で、ステージの雰囲気を必要以上に作り込まず、音と声に集中できる空間だった。
運良く前から3列目の中央席だったこともあり、声のニュアンスが細かく伝わってくる。
音量は大きすぎず、むしろ控えめか。ギターのカッティング音が生音として届く距離感が心地よい。
「静」が多い分、楽曲の中で訪れる「動」がよく映える。
両脇のギターが魅力的であった。
アンコール 「Roads」と「Glory Box」
アンコールではPortisheadの代表曲が2曲続けて披露された。
「Roads」「Glory Box」。
イントロが鳴った瞬間の反応が、この日一番大きかったと思う。
新作の落ち着いたムードとはまた別の、90年代の影をまとったサウンド。
独特の哀しみと強さを帯びた歌声は、時代が変わってもまったく色褪せていない。

短いMCの中に見える人柄
2回ほどのMCだったが、仕草や表情からベスの柔らかい雰囲気が伝わる。
何を話していたかまでは歓声で聞き取れなかったが、彼女の人柄がそのまま滲み出ていたと思う。
優しい拍手で応える客席。
その空気が、今回の公演の「特別な温度感」を作っていた。
まとめ
ZEPP NAMBAの規模でベスを観られたのは、本当に貴重だった。
『Lives Outgrown』を軸にしたセットはシンプルだが、作品の魅力がそのまま伝わる内容で、 ライブとしての密度も十分あった。
彼女の歌声が持つ力を改めて強く実感した夜だった。
(しかし、やはり次はPortisheadでの来日も期待してしまう!)









