
【文字起こし】#011 「スティーブン・キング」について語る|サンキュー、チャック公開記念・ホラーの帝王が日常に持ち込んだ恐怖【CULATIVE RADIO 手前のカルチャー】
オープニング・近況
は) はい、この番組は映画・音楽・アニメ・漫画など、「カルチャーをもっと知りたいけど、どこから触れればいいか分からない」というような方へ向けて、カルチャーをもっと身近に感じるための、入り口の手前までご案内していく番組です。CULATIVE編集室の、はっしーこと橋本拓哉です。それと、
上) カルチャーを筆頭に大体手前、上水優輝でございます。
は) はい、よろしくお願いします。というわけでですね、最近のカルチャーインプットなんですけど、もしかしたらもうだいぶ時間が経ってしまっているかもしれませんが、『プロジェクト・ヘイルメアリー』という映画を見てきてですね、
上) それ誰が言ってたっけ? なんか聞いたことあるぞ。
は) うん、面白かったですね。SF宇宙ものなんですけど、
上) あ、小説かなんか、わからんけど、なんかが映画化されたみたいなやつだった?
は) そうです、そうです。 どうです? SFは見ますか?
上)えっとね、嫌いじゃないけど見てないですね。多分見たら好きだと思うんですよ。
は) あのー、宇宙に……あれですね、アルマゲドンですね。あの、地球滅亡の危機になってまして、それを救うために宇宙に行くんですよ。主人公が。ただ、エアロスミスと違うところはですね、本人は行きたくないんですよね。(笑)
上)エアロスミスが?
は)主人公が。ただ、エアロスミスと違うところはですね、本人は行きたくないんですよね。(笑)
上) あははははは。なるほど。
は) で、物語のスタートは宇宙船から始まるんですけど、宇宙船で目覚めて、ここはどこだってなって、外見たら宇宙じゃないですか。
上) うん。
は) で、乗組員みたいな人は死んでて、あれ、なんで自分はここにいるんだっけっていうのを思い出す話なんですよ。で、思い出していったら、不本意に宇宙船に乗せられて、人類を救ってこい、という話なんですよ。
上) 無茶振りされ、宇宙でも無茶振りされたことに気づくっていう話?
は) そうそうそう。あの、まあ、予告で出てるのでネタバレにはならないと思うんですけど、同じ目的を持った宇宙人、地球外生命体と出会うんですよね。
上) うん。
は) で、その2人でなんとか……2人? 1人と1匹? 匹? っていう話です。で、何がすごいかって、まず映像がすごくてですね、このプロジェクト・ヘイルメアリー、ラージフォーマットの映画って色々あるじゃないですか。IMAXとか、ドルビーシネマとか、スクリーンX、4DX、色々あるんですけれども、それぞれのフォーマットに合わせてチューニングしているということで、どれで見てもすごいよっていう映画なんですよ。
上) へぇ、なにそれ。
は) で、特に日本には2カ所でしか見れないんですけど、IMAXレーザーGT。東京は池袋にありますね。ビル6階建てぐらいのスクリーン。横25メートル、縦18〜20メートルぐらいの超デカスクリーンがあるんですけど、そこで見るとヤバいらしいです。
上) え、それどうなってんの? ホールみたいになってんの?
は) そうそうそうそう。映画館で。もう全面宇宙ですよね。
上) へぇ、すごいね、それ。
は) で、なかなかこの規模で宇宙を体験できる映画はないかも。で、自分はスクリーンXで見たんですけど、スクリーンXって3面スクリーンなんですよ。これもなかなか没入感すごかったです。宇宙にいる感覚。これ良かったですね。というか、そんな映画を見てきたよって言ったところでですね、おそらくこれが公開される翌週に、「サンキュー、チャック」という映画が公開されまして。これがですね、年始のシネマランキングでちょろっと話したやつなんですけど、「ザ・ライフ・オブ・チャック」っていう、スティーブン・キング原作のやつが、ついに日本で公開されるんですよね。
上) はい。
は) 5月1日からかな。なので、ちょっと今回このスティーブン・キングについてお話ししていこうかなと思うんですけど。どうですか、スティーブン・キングって知ってます?
上) あのね、名前以外何にも知らない。名前はよく聞くけどね。果たして何をした人なのかも知らない。
は) スティーブン・キングって名前めっちゃ聞きますよね。
スティーブン・キングとは
は) 今回そんなスティーブン・キングについてなんですが、えーと、まずスティーブン・キングという人物の人物像ですね。この人、1947年生まれのアメリカの小説家ですね。
上) あっ、小説の人なんですね。
は) 小説の人で、これまで60作品以上小説を書いてるんですけど、そのうち映画とかテレビドラマになってるのが50本以上ありまして。作品のほとんどが映像化されてるっていう。「ホラーの帝王」とか「モダンホラーの開拓者」とか言われてますね。
上) そういう感じなんだ。
は) えっとですね、1974年に「キャリー」っていう本でデビューしまして、まあ2024年に作家生活50周年みたいな感じで、今も全然現役の人なんですけど。
代表作の紹介
は) そうですね、代表作をいくつか。えっと、まずさっき出た「キャリー」ですね。キャリーがデビュー作なんですけど、これももう映画化してます。ホラーです。
上) あ、そう。デビュー作ホラー。
は) えっとですね、超能力を持っている内気な女子高校生のキャリーが主人公で、学校でいじめにあうんですよね。家では宗教に狂ってるお母さんに支配されていて。そんな話ばっかりですけど、で、卒業パーティーの時に決定的な屈辱を受けるんですよね。確か豚の血を上から浴びせられるみたいな。そこで覚醒して、超能力を使って復讐に至るっていう話。キャリー、これ1976年に映画化されて。
上) ちょっと気になるね。キャリー。
は) ビジュアル見たことあるんじゃないかな。血まみれの女の子が立ってるやつ。
上) 怖いな。
は) 続いてシャイニングですね。代表作と言ってもいい、シャイニング。こちらはですね、冬季閉鎖中の山奥のホテルに、冬の間管理人として移り住む一家の話なんですよね。
上) はいはいはい。
は) 要するにその寒い間道が通れなくなるから、その間ホテルの管理をしてくれっていう。孤立した環境とホテルの中に漂う何かによって、お父さんがだんだん狂気に侵されていくっていう話ですね。
上) うわー、やだね。
は) これはスタンリー・キューブリック監督によって映画化されておりまして、ジャック・ニコルソン主演ですね。すごい有名な話なんですけど、スティーブン・キングはこの映画化を全く気に入ってなかったことで有名だったんですけど。本当に怒ってたらしくて。映画化にスタンリー・キューブリックの映画というところで今すごい評価されてはいるんですけど、小説版はですね、心理描写の積み重ねなんですよね。スタンリー・キューブリックは視覚的な恐怖とか演出を優先した映画と小説なんでそりゃそうだっていうところなんですけど、ただスティーブン・キングは「自分が描きたかったものとは違う」ってなって、この後ですね、作品の映像化権を買い戻して、スティーブン・キング監督・脚本でテレビドラマ化するんですよね。シャイニングを。それがずっこけたらしいです。(笑)
上) (笑)
は) 小説の補完であり、映画を見て小説に入るのもまあいいじゃないかっていうところですけどね。
上) 忠実であることは必ずしもいいとは思わないという。それはそれでいいじゃんっていう。
は) といったところですね。続いてIT。ITそれも有名じゃないですか。有名ですね。これはもうですね、アメリカの小さな町で、子供たちの前にピエロの姿の怪物というかお化けというかピエロが現れるんですよね。殺人ピエロっていう話で、子供時代の話と大人になってからの話っていう二部構成で、怖い話と子供たちの友情っていう軸。
上) 副題がやばいじゃん。IT、それが見えたら終わり。
は) これもね、映画化してヒットしましたね。続いてミザリー。ミザリーは1990年代に映画化してるんですけれども、人気作家の人がいて、事故で動けなくなったところに熱狂的なファン女性が現れて、その人に助けられるんですけど、その人は作家を監禁して、自分が望む結末の小説を書かせようとするっていう話ですね。ミザリー。ちなみにこれ、アカデミー主演女優賞を受賞してます。
は) あとはですね、スティーブン・キングはホラー以外も書いてまして、スタンドバイミーですね。
上) そのイメージですよね、なんか。
は) なんか、ここまでホラーが上がってきたんで、スタンドバイミーが急にポッと出てきておやってなりそうですけど。スタンドバイミーをさすがにみんな知ってると思いますけど、少年たちが行方不明になった同い年の死体を探しに行くっていうロードムービーですね。子供たちの友情っていうところで行くと、ITと結構近いというか、ITがスタンドバイミーのホラー版みたいな感じかもしれないです。
は) ショーシャンクの空に。
上) えー、そうなんだ、スティーブン・キングなんですね。知らなかった。
は) ショーシャンクの空には、無実の罪で牢屋に入ってる人が、刑務所の中で希望を失わずに生き延びるっていう話ですかね。
上) うんうん。これも大概有名な映画ですよね。見たけど、なんかね、あんま覚えてないけど、すごくいい映画だった記憶はありますね。
は) 俺もすごくいい映画だった記憶はあるけど、内容はあんまり覚えてない。まあね、94年映画化のやつなんで、多分自分も見たのだいぶ前かなと思う。もう30年前か。あとはですね、グリーンマイルですね。
上) あ、グリーンマイルもスティーブン・キングなんですね。そうなんだ、そういうのも作るんだ。見たのに、スティーブン・キングってこと知らなかったよ。
は)グリーンマイルは、刑務所の中で不思議な力を持った黒人男性が無実の罪で入っていて、その不思議な力っていうのが実は癒しの力で、っていう話ですね。
上) うーん。確か、ミストもなんだかんだちょっと見てるわ。ミストも見た。
は) ミストはあれですね、霧の中から怪物が出てきて、まあパニック映画かと思いきや、結局そのパニックになった時の人間を描くっていう感じの映画ですね。といったところで、スティーブン・キングの作品たちなんですけれども。
上) すごい人だね。
は) まあヒットメーカーですよね。
上) ヒットする。本当に天才って感じだね。こんな多作で、全部当たってさ。
スティーブン・キングの作風
は) なんでこんだけ有名で映画化されてんだろうっていうところが、スティーブン・キングの作風を一言で言うと、「日常の中に超常現象が侵食してくる」っていう話が多くてですね。あとは特に、主人公がごく普通の一般的な大人か、ごく一般的な子供を主人公に置く。で、そういう異世界の話とかじゃなくて、どこにでもある風景とか場所とかが突然おかしな状況に放り込まれるっていうのが、スティーブン・キングが出だした70年代とかでは結構新しかったかなと思うんですよね。それまでのホラーはドラキュラとかお城とか、非日常の異世界とかが舞台のが多かった中で、そういう普通のところ、普通の家族にホラーを持ち込んだりとかっていうのが、こうモダンホラーと言われるジャンルに繋がったかなと思います。でそれって、すごい映像化しやすいんですよね、日常だから。
上) 映像を作る側もやりやすいと。
は) うん。でどんどん売れていったんじゃないかなと思いますね。あとはですね、1本2本3本と当ててったら、もうあとは知名度があるんで、スティーブン・キング原作って言っとけばある程度リスクを取りやすいんですよね。
上) そうそうそうそう。
は) 映画会社がリスク取りやすいから、スティーブン・キングを結構いっぱい使うっていうのもあるそうです。
上) 知名度で動員できると言って。
は) ただ一方ですね、スティーブン・キングの原作って、自分も数冊しか読んだことはないんですけど、結構心理描写に重きを置くことも多くて。
上) うんうん。
は) さっき上がったシャイニングの問題とかもその構造だと思うんですけど、そういうなんですかね、心理描写がうまく映像化で描けてないと、映像化の当たり外れもいっぱいあるとなるほど。特にホラーなんで、登場人物が何をどう恐れてるかって結構心理的な部分でもあるじゃないですか。
上) そうね。しかもそれが文字で書かれてるわけでしょ。それを映像に起こすときに解釈間違えるんだよね。
は) そうそうそうそう。とはいえ、早々たる作品群なのでね。
上) だって70何歳で60何本書いてるって言った?
は) そうそうそうそう。
上) おかしいよね。
は) しかもですね、ITとか長いんですよね、上下とかで。
上) 昔からAI使ってたんじゃないの? すごいね。
は) いやすごいですよね。
上) 手書きの時代の人でしょ。すごいよ。
「ザ・ライフ・オブ・チャック」について
は) といった感じでスティーブン・キングですね。スティーブン・キングの入り口でもいいですし、ショーシャンクの空にとか映画の入り口としてもそうですね。最適な一本かなと思いますので、ホラーが苦手な人はスタンドバイミーとかショーシャンクの空にを見ればいいし、ホラーが大丈夫な人はシャイニングとかキャリーとか。
上) シャイニング、キャリーおすすめですか? ガチのホラー?
は)シャイニングは特におすすめですね。 人怖系というか、考察の余地がある人怖系。
上) 人怖系なら見れる気がするな。
は) ビジュアル怖いのはね……あのね、シャイニング、ビジュアル怖いはないですね。逆にビジュアルはすごい美しいというか、うんうん。模様が印象的だったりとか、スタンリー・キューブリックが本当にすごいんだなっていうのが分かるのがシャイニングだと思うので、映画史的にも結構外せない映画ではあるから、全然見て損はない。シャイニング、全然怖くはないです。
上) サスペンス的怖さが強いってことですよね? あーそうですそうですね。呪怨みたいな怖さじゃないですか? 呪怨とかではないです。あのなんかバーンってくるみたいな怖さじゃないでしょ? ビクってする感じではないです。排水溝にめちゃくちゃ髪の毛流れてくるとかそんなのじゃないでしょ? そういうのじゃないです。じゃあいけるか。
は) 怖いんでなんかこう、お父さんが書いてる小説を見ようとしたら、お父さんが後ろにこう立ってるみたいな怖さです。
上) あーはいはいはい。後ろって。あーいいですね、その怖さならいけるかも。
は) シャイニング。あーでも、そういうのがメインだけど、2、3シーンはマジ怖いシーンはありますね。あーでも、まあ今見たらそうでもないんじゃないかな。
は) いやー。そして、冒頭にあったサンキュー、チャックですね。ライフ・オブ・チャック。確かに、サンキュー、チャックの話全然してなかったね。忘れてたもう。サンキュー、チャックの話は以前話してるのでそれ聞いてもらえれば。
上) 確かに、サンキュー、チャックの話全然してなかったね。忘れてたもう。
は) サンキュー、チャックの話は以前話してるのでそれ聞いてもらえれば。
上) もう一回話してくださいよ。全く覚えてないですから。
は) えっとですね、三部構成なんですよね。で第3幕から話が始まるんですけど、第3幕では世界の終わりが描かれるんですよ。で、まあそのテレビのニュースとかでも世界が終わる街がわーってなってる舞台で、「サンキュー、チャック」って書いてある看板とか広告、テレビCMとかを見つけるんですよね。でチャックって誰やってなるんですよみんなっていうのが3幕で、次第2幕がそのチャックっていう銀行員の話が第2幕で。この第2幕で描かれるですね、あるダンスシーンがあるんですけど、そこが本当に良い。ぜひ映画館で見たいっていうところですね。で第1幕はそのチャックの子供時代の話、どういう育てられ方をしたのかっていうのが第1幕で。
上) うんうんうん。
は) これサンキュー、チャックはですね、全然ホラーではなくて、どっちかって言ったらスタンドバイミーとかその路線のスティーブン・キング。ちょっと不思議な話で、世界の終わりが絡んでくるので。なので、全然入り口としても最適かなと思います。
上) へー、ちょっと気になるね。なんか今の話を聞いて、前話してたのをチラッと思い出しましたね。思い出しました。
は) これねアメリカではもう2年前とかに公開されてて、アカデミー賞とかに一切入ってきてないんですよね。
上) 世界が終わるからじゃないの?
は)いやーどうなんですかね。アカデミー向けじゃなかったんかな。
は) 個人的にはすごいいい映画だな。
上) 飛行機で見たって言ってましたよね。
は) 飛行機で見たんですけど、まあぜひといったところですかね。
まとめ
は) はい。というわけで、この番組の文字起こしや関連記事はculative.comで掲載されてますのでぜひご覧ください。それではまた。さようなら。
上) さようなら。

