#014 「マイケル・ジャクソン」について語る|キングオブポップ、その記録と伝説【手前のカルチャー】

#014 「マイケル・ジャクソン」について語る|キングオブポップ、その記録と伝説【手前のカルチャー】

オープニング

は) はい、この番組は映画・音楽・アニメ・漫画など、「カルチャーをもっと知りたいけど、どこから触れればいいか分からない」というような方へ向けて、カルチャーをもっと身近に感じるための、入り口の手前までご案内していく番組です。CULATIVE編集室の、はっしーこと橋本拓哉です。

上) カルチャーの手前におります、上水優輝です。よろしくお願いします。

は) よろしくお願いします。というわけでですね、ちょっと最近のカルチャーインプット飛ばしまして。特にないっていうね。もうすぐですね、『マイケル』っていう、マイケル・ジャクソンの自伝映画が日本で公開されるんですよ。このタイミングでちょっとマイケル・ジャクソンについてお話ししていこうかなと。

上) お願いします。マイケル・ジャクソン、全然わかんないですか?

は) 全然わかんない?

上) あのビジュアルしかわかんない。あとスリラーのPVしかわかんない。

は) なるほど。PVはわかるんですね。ゾンビみたいなやつでしょ。では、マイケル・ジャクソン回ですね。ちょっと駆け足でいきたいと思います。またね、このポッドキャストで話すってなると音が届けられないじゃないですか。なのでSpotifyとかでお聴きの方はこう切り替えながら、曲を聴いたりしながらでもしていただけたらいいかなと思うんですけど。

マイケル・ジャクソンとは

は) まずマイケル・ジャクソンですね。人類史上最も成功した歌手とか、キングオブポップとか言われますね。ただ、このタイミングでアルバムを聞き返してたんですよね。で、今改めて聴くと確かにポップスではあるんですけど、めちゃくちゃビートとかリズムが綿密で、すごいマニアックなことしてるんですよね。なんかその感じをポップスの路線に持ってきたっていうところでもすごいと思いますし、なんだかんだ言ってもダンスがすごい。でもYouTubeがある今の時代だからこそ、ダンスとセットで見れていいなって思いますね。

上) 確かにね。やっぱ基本的にPVで見る感じだったよね。映像で動くマイケル・ジャクソンっていうのは、ライブっていうか、普通に歌ってる姿ってのは見た記憶ないかもね。

は) YouTube時代の今だからこそ振り返ってほしいアーティストではあるんですけれども。

ジャクソン5時代

は) そんなマイケルですね。1958年に生まれます。10人兄弟の8番目なんですよね。5歳の頃からジャクソン5に加入して活動します。その後11歳の時ですね、モータウンレコーズと契約して「I Want You Back」という曲でメジャーデビューするんですけど。

上) そうなのに、ってこと。11歳ですね。

は) このモータウンっていうのが当時黒人ミュージック、黒人のポップスをリリースする超大手レコード会社って感じですかね。世界のロック史を語る上でプレスリーがいて、ビートルズがいて、一方黒人音楽ではモータウンがいてっていう感じで出てくるようなレコード会社なんですけど、そこでデビューして、もう1発目から全米1位ですよ。

上) すごいね。

は) ジャクソン5はマイケル・ジャクソンのお父さんが作った、ジャクソン一家から5人選出したもの。これもいろいろ説があるんですけど、もう児童虐待レベルに厳しいトレーニングで。

上) でもそうじゃないとさ、仕上がらんでしょうね。恐ろしいよね。

は) それでデビューして1位になったと。「I Want You Back」こんな曲なんですけど、多分知ってる曲だと思います。そんなスパルタな中、ジャクソン5としてやっていくんですけど、1個上のお兄ちゃんがいるんですよね。マイケルの方が覚えが早いんですよ。ダンスとかちょっと教えたらすぐできるような子供だったらしくて、なんでマイケルはできるのにお前はできないんだってすごい怒られて、マイケルと比べられる感じだったそうですね。マイケル・ジャクソンはもちろんジャクソン5センターで、11歳でかわいいかわいい言われながらやってくんですけど。セカンドが「ABC」なんですよね。

上) はいはいはいはい。

は) その後「Love You Save」とか「I'll Be There」とか、1位連発し続けるんですよ。アイドル的な活動をしてたので、17歳の頃ですね、1975年、この時にもうモータウンを辞めたいとなるんですよね。もうアイドルはやってられないと。自分たちの曲を作りたい。モータウンレコードってソングライターがいて、全部書かれたものを歌うっていうレコード会社なんですよね。もう完全なるプロがガチガチの曲書いて、それをスター性のあるやつに歌わせるって感じで。それが嫌になったんでしょうね。

上) うんうん。

は) でモータウンから移籍します。その時にジャクソン5っていう名前はもう使うなと言われたので、ジャクソンズっていう風に名前変わるんですよ。それが75年ですね。

ソロ前半:オフ・ザ・ウォール〜バッド

は) その4年後、マイケル・ジャクソン21歳の時にソロデビューするんですよね。ここからが多分みんなが知ってるマイケルにどんどんなっていくんですけど、1枚目、『Off The Wall』っていうアルバムですね。クインシー・ジョーンズと組んで作ります。クインシー・ジョーンズプロデュースでこれを出すんですけど、もう最初から完成度がバキバキなんですよね。10曲入ってるんですけど、この中から4曲トップ10入りしてて、それが当時異例のセールス実績っていう。ジャクソン5っていうグループからマイケル・ジャクソンになった転換を、もう一人でもやっていけるっていうのを証明したような作品ですね。

上) うん。

は) で、その3年後にスリラーを出すんですよね。セカンドアルバム、『Thriller』ですね。これがですね、現在も世界歴代最多売り上げアルバム、史上最も売れたアルバムとしてギネス記録認定されてますね。

上) すごい。

は) これもねスリラーって9曲しか入ってなくて、時間も42分なんですよ。今の感覚でいくとちょっとアルバムとしては短いかなと思うんですけど、この9曲中7曲がトップ10シングルです(笑)。もうそれってベストアルバムではっていう感じですけど、代表的なのはスリラー、ビートイット、ビリー・ジーンですね。

は) スリラーのミュージックビデオは14分のショートフィルムなんですよ。ほぼ短編映画ぐらいの長さで、音楽の販促ツールっていう概念をぶち破って、もうアートとしてミュージックビデオを出したっていう概念を描いた作品って言われてますね。

上) あー。

は) このミュージックビデオをヘビーローテーションしてたMTVっていう放送局ですね。当時はほぼほぼ白人ロック専門チャンネルだったそうなんですよ、MTVって。黒人アーティストで初めてヘビーローテーション入りして、テレビで流れまくるんですけど、マイケルのダンスとミュージックビデオの完成度の高さ、MTVがあったからこそここまで前例のない記録が出たってよく言われてますね。

は) あと特徴的なダンスにムーンウォークありますね。ムーンウォーク初披露したのもこの頃で、スリラーの1年後ですね。テレビ番組で初披露したんですけど、突然やった。スタッフにも事前に言ってなかった。

上) やばー。

は) 本番で急にあの動きをしだしたっていう。ムーンウォークを初めてやった人、もしかしてこの人?

上) そうです。だからテレビを見てた人は、これは何の動きだってなるわけですけど、それで話題になったっていう。自分で開発したのかあの動き。

は) ようですね。すごい。あとはビートイット、あれギター弾いてるのがヴァン・ヘイレンなんですよね。

上) そうなんだ。

は) あれはマイケル・ジャクソンが自ら電話したらしくて、ギター弾いてくれんって。ヴァン・ヘイレンは嘘だろってジョークだろって思って、ギャラほぼゼロで面白いから弾いてやるよって弾いたらしいです。

上) へー、すごい組み合わせだね。

は) で、その後ですね、スリラー出して、ムーンウォークして、それが83年ですね。その2年後、「We Are the World」を出します。ウィーアーザワールドはマイケル・ジャクソンプロデュースの企画なので、ちょっとまた毛色が違うんですけど、ライオネル・リッチーと共同で楽曲書いてて、アフリカの飢餓の救済を目的に立ち上げたプロジェクトですね。売り上げは全部寄付に回しますっていうやつで、参加アーティスト45名。ブルース・スプリングスティーンとかティナ・ターナーとかボブ・ディランとかですね。結局いくら寄付したかというと、2,000万枚売り上げて6,300万ドル、当時の150億円を寄付したそうです。

上) すごいね。もう規模が違いすぎてよくわからない。

は) ワールドだね(笑)。っていうのを出して、その2年後、3枚目のアルバム『Bad』を出します。11曲入り48分なんですけど、そのうち5曲が全米1位。バッドとかスムース・クリミナルとかMan in the Mirrorとかが入ってるやつなんですけど、クインシー・ジョーンズとのコラボはこの作品が最後なんですよね。個人的にはこのバッドから結構リズムがパキッとしてくるっていうか、ちょっと固くなるビートがっていう印象を受けますね。

は) ムーンウォークで世間を驚かせたマイケルなんですけど、このバッドの時もスムース・クリミナルでアンチグラビティ、ゼログラビティっていうダンスを編み出しまして。

上) 基本重力と関係するねこの人は。立った状態で前に傾くやつ。あり得ない傾きをやるやつ。

は) あれはスムース・クリミナルのミュージックビデオでやったっていう、45度傾いてるそうですね。体幹がすごいっていうのと、あれ靴が特殊な靴で、地面から釘みたいなのが出てて、そこに靴をカパッと固定して傾ける仕組み。

上) 支えがないとさすがに無理みたいな。

は) さすがに無理。これ特許取ってるらしいです(笑)。誰もせんわ。もしやる時はマイケルにお金払わんとできないっていう。ムーンウォークも特許取っておけばよかったね。

上) でも無理なんじゃない?ムーンウォークは道具とか使わないでしょ。

は) 確かに道具に特許があるのか。

ソロ後半:デンジャラスへ

は) ここまでがソロの前半って感じですね。ジャクソン5からジャクソンズになって3枚アルバム出した、クインシー・ジョーンズと3枚アルバム出してキングオブポップに登り詰めたっていうところで前半で、ここからソロの後半になるんですけど、今何歳ぐらいなんですか?

上) これが87年なので。

は) 29歳ぐらいですね。若っ。確かにね。33の時にデンジャラスっていうアルバムを出します。これがクインシー・ジョーンズとは離れて制作したやつで、サウンド自体も結構方向性が変わった作品。

上) バッドとかデンジャラスとか、なんかちょっとネガティブだねタイトルが。

は) ただ入ってる音楽は「Black or White」とか「Heal the World」とか、世界平和とか人種差別をなくそうみたいな壮大な曲がある一方、アルバム曲のビートがめちゃくちゃブレイクビーツで、日本でいうとなんだろう、岡村ちゃんみたいな。逆やろうけどね、岡村ちゃんがマイケルをやってるんだけど、ああいう雰囲気のバキバキのリズムの曲もあるんだ。2方向がアルバムで1枚になってるって感じですね。

は) この作品あたり、デンジャラスあたりから音楽以外の話題も増えるようになったんですよね。児童虐待とかいろいろあったじゃないですか。この頃から肌の色が白くなりだすんですよね。デンジャラスあたり、90年代入ってからですね。黒人の頃のマイケル・ジャクソンと肌が白いマイケル・ジャクソン、どっちのイメージも頭の中にあると思うんですけど、なんでそうなったかといったら、白斑症っていう皮膚疾患がありまして。肌の色がどんどん抜けて白くなっちゃうっていう病気なんですよ。その病気があってまだらになってくので、全部抜いた、実質的にそのなんかやったらっていうことだと思われますね。

は) この頃にマイケル最初の結婚しまして。94年に。その結婚相手はエルビス・プレスリーの娘らしいです。

上) どういうこと(笑)。

は) この頃の同じく有名なエピソードとして、スーパーボウルのハーフタイムショーに出るんですよね。これが結構伝説って言われてて、1分半かな、そのマイケルがステージにバーンって飛び出るんですよ。文字通り飛び出るんですよね。下からジャンプしてバーンって。でそっから1分半静止するっていうパフォーマンスをしたんですよ。

上) うん。

は) ずっと観客はキャーキャーって黄色い声援だけの状態で、胸を張って1分半何もしないっていう映像があるんですけど、すごいですよ。静止しても成り立つっていう、まだ何もしてないのになんかいろいろ成り立ってるんですよ。その当時の人気度が伺えるエピソードなんですけど。

は) でその頃ですね、今アルバム4枚出してるんですけど、半5枚目みたいなのが出るんですよね。ヒストリーっていうアルバムで、2枚組で1枚目がベスト盤で、ディスク2に新曲っていう感じ。挟んで2001年に最後のスタジオアルバム出しますね。これは5枚目、6枚目って感じですかね。インビジブルっていう作品なんですけど、今聞いてなんか再評価が進んでるっていうアルバムですかね。当時はあんまり振るわなかった感じですね。

上) あそうなんだ。もうトップ10のうちのみたいなことはないんですね。

は) やっぱデンジャラスまでの4枚でこう1個マイケル・ジャクソンって感じですかね。個人的には。もちろんいい曲たくさん入ってますが。この後も定期的にツアーとかレコーディングの計画はあったそうなんですけど、2009年に亡くなってしまうっていう感じですね。50歳ですね。

死の謎

上) なんでですか?

は) 急性プロポフォール中毒というもので。プロポフォールっていうのが手術の時に使う全身麻酔だそうですね。マイケルが不眠があったんで、寝れないから投与してくれって、主治医の人が投与するんですよ。それで中毒で亡くなってる。この主治医の人、コンラッド・マレーさんというふうなんですけど、過失致死罪で有罪判決を受けてたりとかしてるんですけど。

は) これ死後いろんな方向から陰謀論とか生存説とか暗殺説とか、ことさらに囁かれてますね。そもそもなんで主治医がそれを死ぬ量を打ったのかとかもあるし。マイケルのお父さんが証言してるんですけど、マイケルがお母さんに「僕はもう殺される」っていう話を死ぬ前にしてたそうなんです。

上) うーん。

は) で、専属のカメラマンがいまして、死の真相を手に入れるって発言して色々調べてた。これは弁護士か弁護士の人が死亡してるんですよね。で、拳銃自殺ってされてるんですけど使用された拳銃が見つかってない、とか。専属のカメラマンもマイケルより先に死亡しているとか、そういうのはまあいろいろなことがあるんですけど。

上) 何なん怖い。なんか怖い話なんですよ。

は) そう。いまだに生きてるっていう説もあるし、ちょっとわかんないですね。

上) まあ年齢的には全然生きててもおかしくない年齢なんでしょうね。そうそう、あの元気だったら。

は) 2009年で50歳。どうなんでしょうね。というのがマイケル・ジャクソンの一生ですね。

上) いやもうちょっと全然わかんない。なんか後半違う話だった。陰謀論のカルチャーとかじゃないじゃん。もうなんか事件じゃん。

まとめ

は) でもやっぱ今のダンスの礎というか、基礎を作ったような人ですよね。すごいよね。でも改めてね聴いたら、かっこいいですね。特にデンジャラスとかヒストリーとかソロ後半。ぶっちゃけねスリラーとかバッドあたりはもちろん好きですけど、ちょっと聴き飽きた感あるんですよね。ずっと聴いてるんで。なんか後半いいなって最近思ってます。

上) デンジャラス以降。知らなかった。聴いてみたい。

は) でですね、この話をするにあたった映画『マイケル』についてなんですけど。6月から公開になる映画でして、アメリカではもうすでに4月から公開されてますと。制作陣がボヘミアンラプソディの制作陣なんですよね。主演がジャファー・ジャクソンさんで、これマイケルの甥にあたる人だそうです。マイケルの兄弟の息子ですね。がマイケルをやってると。なので、トレーラー見た段階でもそっくりなんですよ。喋り方も似てるんですよ、声の高さとか。ただ多分ね、劇中で使われる音楽はマイケルの曲を使ってるんじゃないかな。俳優さんが歌ってるわけじゃないんじゃないかなとは思うけど。

は) でですね、ロッテントマトアメリカの映画評論サイトでは観客の評価スコアはめっちゃ高いんですけど、批評家の評価は低めなんですよ。ただこの場合、面白い映画であるパターンが多くて。エンターテインメントとして楽しい映画なんじゃないかなと。

上) そういうことなんだよね、その評価はね。

は) おそらくバッドぐらいまで、ジャクソン5からオフ・ザ・ウォール、スリラー、ウィーアーザワールド入るか分からんけど、入ってバッド出すぐらいまでじゃないかなっていう。デンジャラス以降はしないんじゃないかなっていう感じですね。ちょっと結構楽しみにしてる。

上) 1本じゃ無理だもんね。

は) もしかしたらマイケル2とかやっちゃう?

上) やっちゃう可能性あるんじゃないですか。前半戦と後半戦みたいな。

は) っていう感じのね、マイケル・ジャクソンでしたと。まず記録がすごいですよね。もちろんそのダンスがすごいで記憶にも残りますけど、記録がすごくて。グラミー賞84年に8冠してるんですよね。単独アーティストによる最多受賞で現在も最多タイ記録だそうです。生涯グラミー賞受賞数は13個。グラミーレジェンド賞受賞してたりなんかもういっぱい受賞しすぎてよくわからん感じですね。

上) なんでそんな強いの?

は) ギネスで、5つの連続する10年代で全米1位アルバムを出した唯一のアーティストって言われてるそうです。70年代、80年代、90年代、2000年代、2010年代、全部で出してるっていう。

上) 早熟だからね。

は) 5歳からやってるんでね。ずっとスターでいつづけた人ですよね。すごいよね。

は) 意外とでもさ、その存在はみんな知ってるけど、日本人でも音楽をそんなちゃんと聴いてる人って音楽ファンぐらいなんじゃないかなと思うから、これを機に聴いてもらったら。どっから聴いても全部ベストみたいな人なんでぶっちゃけ難しいんですけど、Apple Musicとかにあるエッセンシャルとかで十分いいんじゃないかなとも思いますし、一旦スリラー聴くもありかな。やっぱ世界で一番売れてるアルバムなんで。その後のおすすめは今はもうデンジャラスですね。デンジャラスとヒストリーの2枚目、バキバキのマイケルをぜひ聴いていただきたい。って感じですかね。

は) はい、そんな感じでこの番組の文字起こしや関連記事はculative.comで掲載されてますのでそちらもぜひご覧ください。それではマイケル・ジャクソン回でした。さようなら。

上) さようなら。

本記事はCULATIVE RADIO #014の文字起こしです。

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