#015 「古畑任三郎」について語る|Netflix配信で今こそ入門【手前のカルチャー】

#015 「古畑任三郎」について語る|Netflix配信で今こそ入門【手前のカルチャー】

オープニング・近況

は) 乾杯。この番組は映画・音楽・アニメ・漫画など、「カルチャーをもっと知りたいけど、どこから触れればいいか分からない」というような方へ向けて、カルチャーをもっと身近に感じるための、入り口の手前までご案内していく番組です。CULATIVE編集室の、はっしーこと橋本拓哉です。それと、

上) 太極拳ばっかりやっている上水優輝です。よろしくお願いします。

は) よろしくお願いします。今日はオリオンビールをいただいているんですけど、まだ石垣島気分ですか。

上) そう、気分が抜けないですね。

は) 抜けないというか、逆にちょっと盛り上がってきた。

上) へー。

は) 石垣島が良かったなーっていうことを、帰りたい。

上) あるよね、島あるあるよね。

は) これなんかね、終わった直後はなんかいろいろあったな、疲れたなーって感じもあったけど、だんだんだんだんこう帰りたい……。

上) 帰りたい。

は) あれなんか、島は中毒になるよね。またすぐ行きたくなるっていうか。

上) 何なんでしょうね。

は) いかに都市生活でね、消耗してるかってことじゃないですか。

上) そういうことか。

は) というわけでですね、最近自分はあんまりカルチャーインプットできてないんですけど。

上) 珍しいですね。インプットしました?

は) えーとね、あれ何だったっけ。ちょっとごめんなさい、インプットできてないんですけど、ちょっとしたのに。あのー、名前があやふやなんですけど、去年かなんかのカンヌで獲ったイランの映画ないですか。なんとか……アクシデント、シンプルアクシデントだったっけ、なんだっけな。

上) なんかありましたよね。シンプルアクシデントか……を見ましたね。

は) どうでした?

上) うーん、スリラー、うーんって感じですかね。なんか政治的な、まあもちろん政治的な映画でもあるんだけど、政治的な事情で賞を取ったんじゃないかなっていう感じが。それこそアカデミー賞の話あったじゃないですか、ああいう感じはしましたね。作品としてめちゃくちゃ良かったかって言われると、それ単体で見た時にそこまでって思うけど、まあそういういろんな背景の中、イランの監督が頑張って作ってるみたいなところがまあ意義があるというか、国内のこんな状況もあるよみたいなのも含めて意味があるってことだったのかなと思うんですけど。

は) 評価されたってことですね。

上) うーん、ちょっと見てみよう。

は) でですね、今回ですね、Netflixで6月1日からですね、あの『古畑任三郎』が配信開始になるそうで。

上) なぜなぜ今っていう感じもあるんですけど。

は) ただ古畑任三郎ってなんか定期的にリバイバルするというか、バラエティ番組でもよく取り上げられるし、あの頃のなんかドラマみたいな番組でもよく出てきますよね。

上) うんうんうん。

は) で改めてちょっと見たことない人に向けて、こんなやつだよっていうのをちょっと説明したいな、という。

上) なるほど。確かにね、自分たちが10代とか20代ぐらいにかけてあってたと思うんですけど。

は) そうですね。お笑いの人とかもよくモノマネするじゃないですか。

上) はい。癖強いもんね。田村正和さんのね。

は) なんかモノマネされるやつって古畑か金八かぐらいしかないような気がして。

上) 確かに。金八クラスですね。

は) 金八クラスですね、モノマネのされ方で言うと。

上) うんうんうんうんうん。

は) っていうね、古畑任三郎なんですけれどもどうです、見てました?

上) あのね、親が好きで、なんで家で流れてましたよ。

は) 一緒です一緒です。俺も親が好きで。

上) で、今横で見ててはまって。

は) 横で見ててはまって、未だに結構好きなんですけど。

上) うんうんうん。

は) 定期的に見返すぐらい好きなんですよね。

上) へー、そんなはまった?

は) そんなはまりましたね。

古畑任三郎とは

は) でまあそうですね、もう本編始めちゃうと。そもそも『古畑任三郎』ってフジテレビ系列のドラマでして、1994年から2006年までやってたってことですね。で、94年からシーズン1が始まって、2があって、最後のシリーズの時——うん、多分その辺を見てた気がする、わかんないけど。主演が田村正和さん、脚本が三谷幸喜。個人的にここがいいなっていうのが、本間勇輔さんですかね。

上) 音楽いいね。

は) 古畑任三郎の音楽ってすごいいいんですよね。

上) すごいいい、覚えてる。

は) それを作ってるのが本間さんですね。刑事である古畑任三郎が殺人事件を解決する刑事ドラマなんですけれども、犯人役が毎回ゲストの俳優さんで、これが結構豪華だっていうところで注目を浴びた感じですね。一番の特徴は、ミステリーで倒叙ミステリーっていわれるものがありまして。普通のミステリー、刑事ドラマとか探偵ものだったら、犯人が誰かわからない状態から始まって、誰か当てていくっていうのが王道なんですけど、古畑任三郎の場合、最初に犯人がわかってしまう。犯人が殺人を犯すまでを描いて、古畑が登場するっていう感じで進んでいきます。で視聴者、見てる人は最初から犯人わかってるから、どうやって古畑が追い詰めていくかっていうところを楽しむドラマですね。

上) うんうん。

は) でこれって実は元ネタがあって、アメリカの『刑事コロンボ』っていうドラマシリーズがありまして。

上) 刑事コロンボってこの感じなんだ。

は) そうです、そうです。そのコロンボを三谷幸喜が好きだったので、この形式を借りたということだそうです。であとは最初と、中盤というか解決編に行く前に古畑が視聴者に向かって語りかけますよね。

上) あるね。

は) あれってめちゃくちゃメタな視点じゃないですか。登場人物がこっちに向かって話しかけるっていう。あれもですね、えっとですね、『エラリー・クイーン』ミステリーっていう海外ドラマで、その手法をやってたそうで、そこから借りてる。

上) あ、そうなんですね。

は) あれ斬新だったよね。

上) あれもね、シーズン1、2とかは結構みんなが思いつくようなことを喋ってるんですけど、シーズン3ぐらいになってくるとなんかお便り読んだりとか、展開がいろいろ変わってくる。そこも面白い。

は) 確かに今言われてみれば結構特徴的な刑事ドラマでしたね。

上) うーん、なんかその……そうですね、多分その後に同じことやったらそれ古畑やんって言われそうな、こう型を輸入したわけですけど、型を作ったっていうところはありますよね。

上) うんうん。

田村正和と三谷幸喜

は) そうですね。田村正和さん、古畑任三郎ですね。この人どんな人かって言ったら、当時すでにトップ俳優で、結構昔から映画出たりとかしてたんですよね。で独特な喋り方とかたたずまいがキャラを作り上げたんですけど、古畑の後にもドラマ何本かあるんですよね。ただやっぱり今どれを見ても「古畑だな」って思っちゃいますよね。

上) あれなんだ、いつも……そう、明るい古畑みたいな。

は) そういう俳優さんいますよね、どの映画出ても同じ演技みたいな。

上) よく言われるのは木村拓哉とか福山とかですけど。

は) あの人もじゃないですか。あの、倍返しの人。

上) あーはいはい、あの倍返しの人ね。えっとね。

は) 名前ちょっとパッと言われると……堺雅人さんね。

上) あ、そうそうそう。あの人どこに出ても……一緒な感じしますよねやっぱ。

は) あのレベルなんだろうね、一緒の感じが出せるのってすごいんでしょうね。

上) うーん、すごいんでしょうね。

は) で、三谷幸喜ですね。古畑任三郎に関しては、田村正和に当て書きしてるんですよね。最初から田村正和にする予定で書いてるっていう。

上) うーん。

は) ただ最初は本人、一回断ってるらしいんですよ。田村正和本人というか、マネージャーが勝手に断ってて。豆知識というかティップス情報なんですけど、最初オファーがあった時に、田村正和、もともと刑事ドラマには出ないってずっと言ってたらしくて。

上) あ、そうなんだ。なんで。

は) でマネージャーも刑事ドラマ来たから勝手に断ってたけど、三谷幸喜がこの役はもう田村さんしかいないって、サンプルの脚本を送って、でその脚本読んだ田村正和が「面白いからこれはやりたい」ってやることになったそうです。

上) へぇー。

は) あとはね、あのー黒いスーツ着て黒ずくめで、あのキャラクター造形、眉間に手を当てたりとか、あの辺は全部田村正和本人が考えた演技プランです。

上) へぇー。脚本読んでこういう感じなんじゃないのって。

は) こういう感じだな、ってね。そうそうそう。

上) うーん。

は) ということですね。

上) へぇー。じゃあもうほんと、田村正和ありきの作品って感じなんですね。

は) そうそうそうそう。あんだけハマってるっていうのは、むしろ脚本側がもう当てにいってるからっていうのもあると思うんですよね。

上) うーん、元々ね三谷幸喜って、脚本書くときに結構当て書きする人らしくて。なんかそれもドラマとか映画とかいっぱい撮ってるじゃないですか。なんかその演技をコントロールしたいというか、全然違うものにしたくない、自分の作品を、っていうのがあるんで、最初から頭の中に思い描いて脚本書くそうです。

三谷幸喜という脚本家

は) そんな三谷幸喜なんですけど、彼はどういう脚本家かっていうと。一躍有名になったのは古畑任三郎なんですけど、その前に93年に『振り返れば奴がいる』っていうドラマ撮ってるんですよね。

上) あー、それも三谷幸喜なんだ。

は) そうそうそう。俺もねこのドラマ好きで。

上) 結構有名じゃないですか。

は) そうそうそうそう。あれですよね、織田裕二ですもんね。

上) そうそう。

は) そしてその後、古畑を撮るんですよね。その後は『王様のレストラン』とか『新選組!』とか作っていきますけど——撮るっていうか脚本ですね——作っていきますけど、映画の方が。映画があって、91年に『12人の優しい日本人』っていうので脚本書いてます。映画監督デビューが『ラヂオの時間』、97年ですね。この2本、自分もどっちも面白いし結構好きなやつで。『12人の優しい日本人』はアメリカの『十二人の怒れる男』っていう作品の日本版リメイクですね。陪審裁判をテーマにした、ワンシチュエーションというか、一つの部屋で全部撮り切るやつ。『ラヂオの時間』はラジオの生放送、ラジオドラマの舞台裏を描いたドタバタ劇みたいな感じですね。これどっちも見たことありますか?

上) 優しい日本人の方は見ましたね、面白かった、めちゃくちゃ。

は) 『ラヂオの時間』って、子供の頃はよく分かってなかったけど、大人になって仕事をしだした今だからこそ視点が変わるっていうか、誰に共感するかが変わるんですよね。ラジオドラマを生放送で撮っている間に俳優がやりたくないとか、この展開は嫌だとか言い出したりいろいろ問題が起こって、それに対処していくっていう話なんですけど。与えられた仕事をただただこなすだけなのか、とりあえず今だけ解決していくのでいいのか、それともいいラジオドラマを撮るための理想を追うのか、みたいな葛藤というか、いろんなやりとりがあって。自分はこの人タイプだな、みたいなのがあって、未だに見て面白い。

上) 『ラヂオの時間』は結構いろんな人に勧められますね。見てないですけど、みたいなって思った。

は) いいと思います。そんな三谷幸喜ですけど、古畑任三郎きっかけで全国的知名度になった人なんですよね。

上) それで大ブレイクしたんだ。

は) 基本的にはコメディ寄りな人ですよね。コメディかつハートウォーミングみたいな、そんなイメージありますよね。でですね、豆知識一個仕入れてきまして。古畑任三郎これ、全部三谷幸喜が脚本してるんですよね。一人の脚本家がドラマを全部作るのって、日本ではなかなか稀らしくて、異例中の異例だそうです。

上) へー。チームでやるってこと?

は) チームでやるとか、1、2、3話はこの人で、4、5、6話はこの人で、みたいなのが多いらしいですけど、全編通してっていうのはなかなか珍しいそうですね。

上) これ、できんってなったからもう後期しかできんじゃなかったの?

は) 後期しかできん、みたいな(笑)。

上) まあなんかそうですね、だからこそ全話通してなんか統一感あるというか、ドラマってシーズン2とかシーズン3になってくと、ちょっとなりがちじゃないですか。なんかそれがなくて、ずっと完成度が高いっていうのも、やり続けたからっていうのがあるかもしれないですね。

は) すごいね、全部脚本書いてたのすごいね。

上) しかも三谷幸喜って、結構時間かかる人らしくて。

は) あ、そうなんだ。

上) 1個の脚本を書くのに4日とか5日とかかかる人らしいです。

おすすめ回とゲスト陣

は) そんな古畑任三郎なんですけれども。犯人がゲストって最初言いましたね。

上) うんうんうん。

は) そのゲストって、中森明菜とかSMAPとか松嶋菜々子とか、いろいろいたんですけど。特に特におすすめしたい回というか、個人的に好きな回は……まあやっぱりSMAP回なんですよね。

上) あ、お。

は) ただSMAP回に関してはNetflixで配信されるのかどうかも分からないんですけど。

上) 確かにね。

は) いろんな権利やら何やらが。

上) いくつもの障害がありそうな。

は) そうそうそう。やっぱりね。ぜひ6月1日からは第1シーズンの配信が開始されるそうで、それから順繰り続いていくそうなんですけど、ぜひSMAP回は配信してほしいなって思いますよね。

上) 結構内容とか覚えてないけど、一郎が出てたのとかありましたよね。

は) 一郎回もいいですよね。一郎回ですね。一郎はですね、あのセリフ合わせの段階でほぼ全セリフを暗記してたらしくて、俳優じゃないのにここまでやるのすごいってスタッフめっちゃ驚いたそうで。

上) やっぱりストイックな。

は) NG一発も出さなかったそうです。

上) へー。

は) あとね、一郎があの犯行に使ったボール……を排水管の上に投げて隠すシーンがあるんですよ。めっちゃこう狭い排水管との間にスポッと入れるんですけど、スタッフはこれ結構時間かかるだろうなって時間用意してたけど、なんか数発、一発やったかなで決めたらしくて。

上) すげー。

は) ただ一郎の回もですね、確か幻の回みたいになってるんですよ。

上) うん。

は) 権利の問題で。

上) あ、そうなんだ。

は) そう、これもねNetflixでどうなるかわからないですけど。個人的には桃井かおりの回とかも好きなんですよね。

上) へー、ちょっと覚えてないな。でもありそうだね。

は) 桃井かおりがラジオDJで、曲と喋りの間に犯行して戻ってくるっていう回があるんですよ。桃井かおり良かったですね。

上) うん、うん。

は) あとは津川雅彦の回とかも好きなんですけど。

上) うんうん。

は) て言うか早々たる。

上) あれがありますね。

は) そうそうそう。津川雅彦の回は、本当はそれが最終回にする予定だったらしくて。なんか古畑が珍しく熱いことを言うというか、なんかちょっと人生訓みたいなことを話すシーンがあって、そこがなかなかいいですね。

上) へー。

は) そんな古畑任三郎なんですけど、最高視聴率がですね、一番高かったのが山口智子がゲストやったやつで、34.4%出してるらしいですよ。3人に1人は見てたってことですよね。

上) どういうこと。

は) そんな(笑)。

上) そんな(笑)。

は) あとね、犯人役候補だった人、オファーしたけど断られたりいろいろあって出れなかったとかいう人がですね。和田アキ子でしょ、安達祐実でしょ、勝新太郎でしょ、鈴木京香とか、小田和正とか、志村けんとか。そうそうたるメンツですよね。

上) 強いね。

は) この辺もねやってたら面白かっただろうなっていう。

上) 志村けんとか見たかったね。

は) 見たかったっていう感じの古畑任三郎でしたね。なんかその作品のクオリティも高いけど、今言ったみたいに当時の名俳優というかビッグ俳優たちが出るっていうのだけでもね、面白いよね。

上) そういうのも面白いですね。あの人の若かりし頃みたいな感じでも見れますしね。

赤い洗面器の男

は) あと古畑任三郎を語る上で欠かせないことが一個ありまして。あのね、「赤い洗面器の男」っていう話が定期的に出てくるんですよ。

上) ちょっと全然わかんない。

は) これ、三谷幸喜作品の他の、『ラヂオの時間』とかでも語られる話、小話なんですけど。ある晴れた日の午後、道を歩いてたら赤い洗面器を頭に乗せた男が歩いてきました。洗面器の中にはたっぷりの水が入っていて、その男は水を一滴もこぼさないようにゆっくり歩いてきました。「すいません、どうして赤い洗面器を頭に乗せて歩いているんですか」と聞いたところ、男は答えました。「それはね」っていうところで終わる話があるんですよ。

上) はいはい。はいはいはいはいはい。

は) これは三谷幸喜がずっと続けてるギャグみたいなやつで、オチがないことがオチっていう小話なんですよ。で古畑の中でも2、3回この話が出てきまして、同じ話?

上) 同じ話で、いろんなところで古畑が聞いて、いつもそのオチの前に何かしらが起こっちゃってオチが聞けない、っていうネタなんですよ。

は) なのでいろんな三谷幸喜の作品見てたら、この話ちょいちょい出てきます。

上) そうなんだ。作品をまたいでそう、作品をまたいでこの話が出てくるんですよ。

は) えー面白い。分かる人だけ分かるみたいな、三谷幸喜ファンなら分かるみたいな、またこの話かっていう。

上) 面白いね。

は) これ、最初出てきたの多分桃井かおりの回か、『ラヂオの時間』の方が先かな。ラジオつながりで言ったことだと思いますね。

上) うん。

まとめ

は) そんな感じですかね。

上) うん、懐かしい気持ちになりましたね。

は) 今日は、Netflixで6月1日から配信開始ということですので、話題になるんでしょうね。

上) 話題になるでしょうね。今の段階で結構Xとかでは流れてきてますね。

は) 初見の人はね第1話からでもいいですし、昔見た人も含めてね、振り返ってみればいいんじゃないでしょうか。

上) おすすめですね、これはね。おすすめですね、面白いからね。

は) という感じで、この番組の文字起こしや関連記事はculative.comで掲載されてますのでぜひご覧ください。古畑任三郎でした。さようなら。

上) さようなら。

RELATED
関連記事

Write for CULATIVE
― あなたのカルチャーを届けませんか?

CULATIVEでは、音楽・映画・フェス・旅・カルチャーに関する寄稿・取材記事を募集しています。
「音楽フェスに行った」「映画を観て感じたことがある」そんな体験をぜひ共有してください。
取材協力・ギャランティの有無などは内容に応じてご相談します。