手前のカルチャー
PODCAST

#023 「レディオヘッド」について語る|19年ぶりの来日前に入門、全9枚を順に聴く【手前のカルチャー】

オープニング・近況:オアシス再結成ドキュメンタリーと『籠の中の乙女』

は) この番組は映画、音楽、アニメ、漫画など、カルチャーをもっと知りたいけどどこから触れればいいかわからないというような方へ向けて、カルチャーをもっと身近に感じるための入り口の手前までご案内していく番組です。CULATIVE編集室のはっしーこと橋本拓哉です。それと、

上) みんな分かんなくても大丈夫だよ、上水優輝です。

は) よろしくお願いします。えっとですね、オアシスの再結成のドキュメンタリー映画があってまして、

上) 今?

は) ちょっと見てきたんですよね、今。

上) おー。

は) あの、第1回目ですよ、オアシス撮ったの。

上) はい、そうですよね。

は) あの、きっかけとなった再結成ライブですね。

上) うん。

は) それのドキュメンタリー。

上) 世界ツアーしてたやつですよ。

は) そうそうそうそうそう、そういうことです。

上) うん。ああ、なるほど。それをずっとカメラ回して映画にしたんだ。へえ、いいね。

は) で、あんだけね、でかいバンドで仲直りして、何があったんだって気になるじゃないですか。

上) うんうん。

は) そしたらね、ドキュメンタリーはね、ライブのダイジェストと、あとお客さんのバックボーン、なんかオアシスがいたから私は、みたいな話がメインで。

上) はいはいはい。

は) なんで再結成に至ったかがあんまり掘り下げられなかったんですよ。

上) はいはいはい。何のドキュメンタリーなんだ、ってね。

は) そこが見たいのにっていう、そこが見たいのにっていう。

上) 釣り感あるね。

は) っていう感じでした。

上) 僕はですね、ちょっとイベントで映画を見て感想を語り合うっていうのを毎月1本やってるんですけど、

は) うんうん。

上) ヨルゴス・ランティモスのね、

は) おー。

上) 『籠の中の乙女』をテーマにやったんですね。

は) はいはいはい。やべえやべえ映画でしょ。

上) やばいですね。ジョーズ出てきましたね。

は) そうですね。

上) 若干上手だ。

は) 若干、籠の中はやべえですね。

上) あれはやばかったですね。まあでも、そう、考えさせられる映画で面白かったです。

は) お兄ちゃんがね、いいよね。

上) お兄ちゃんよかった?

は) やべえやつ。

上) 全員やばかったですけどね。

19年ぶりの単独来日、さいたまで5days

は) そんなね、やべえがいまして、

上) おぉ。

は) レディオヘッド。

上) おぉー、ついに行くんですか。

は) ついに、満を持してレディオヘッドですね。

上) いやー、でもね、嬉しいですね。僕、好きなバンドなんですかって言われたらレディオヘッドって答えますもん。ただ、レディオってこと何も知らないんで。

は) おーおー、いいですね。

上) 今日はもう勉強できてすごく助かります。

は) 整理していきましょう。うん。で、レディオヘッドですね、9月7日に日本に来るとライブ発表されました。

上) 確定?

は) 確定です。

上) いつですか?

は) えっとですね、来年の2027年の6月ですね。

上) うえぇ。

は) 5daysで来ます。

上) その、東京?

は) 埼玉スーパーアリーナ。

上) で5days。わー、これは行きたいな。

は) 5daysです。やべえです。で、単独来日、あの、2016年のサマソニ以来10年ぶりなんですけど、単独での来日は19年ぶりだそうですね。

上) あ、そう。

は) バンド自体ね、7年ぐらい止まってたんですよ。

上) うんうんうん。

は) で、去年なんか動き出した、ヨーロッパで。

上) あ、そうなんだ。

は) 去年ヨーロッパで何十公演とかして、でライブ活動復活した。で、満を持して日本に来るっていうところなんですね。

上) 楽しみだね。

は) といったところで、ちょっと今回はレディオヘッドについて入り口まで行きたいと思うんですけど。

上) 埼玉スーパーアリーナの入り口までお願いします。

は) 入り口まで。結構SNSでも今レディオヘッド、レディオヘッド言われてる、目にする人もいるかもしれないですけど、そもそもレディオヘッドって何ぞやっていうところをね、行きたいんですけど。自分はですね、大学の頃ですね、2000年中盤ぐらいにハマって、そっからずっと聴いてますね。結構もう人生で一番聴いたと言っても過言ではないぐらいのバンドかなと思うんですけど。

上) うんうんうん。

は) さっき挙げた2016年のサマソニの大阪で見ましたね。それが最初で最後ですけど。

上) えー、いいな。

は) 今回のもう、今先行抽選始まってて、既に応募済みです。

上) そうなの。

は) 始まってます。

上) そんなことになってんの、教えてよ。

は) 知ってるかと思った。

上) 知らないよ、何にも。

は) 既に始まってますね。

上) もう出遅れてんじゃん。

は) でもまだ抽選なので大丈夫だと思います。どうです?レディオヘッド、逆にどの辺まで聞いてました?

上) えーっとね、どこまで聞いたんだろう。確実に自信を持って聞いたと言えるのは『In Rainbows』までですね。

は) うんうんうん。

上) その後はなんか、つまみ食い的な感じで。

は) うんうんうん。

上) なんかあったっけって感じですね。

レディオヘッドとは:41年メンバーが変わらない5人組

は) なるほど。本当そういう人多いと思うんですよね。その辺もちょっとね、深く掘っていきたいかなと思うんですけど。レディオヘッドですね、どういったバンドなのか。イギリス・オックスフォード出身の5人組バンドですね。1985年に高校生の同級生同士で組んで、それ以降41年間メンバーが一度も変わってないというバンドですね。

上) んー。

は) 超仲良しバンドですね。

上) すごいよね。

は) 仲悪いんですけどね。悪くはないか。特別仲良いという感じでもないと思うけど、41年メンバー変わってないっていう、なかなかレアなバンドですね。代表曲は「Creep」、

上) はい。

は) って言われますね。良くも悪くも「Creep」って言われますね。代表作って言われるのが『OK Computer』っていうアルバムと『Kid A』っていうアルバムですね。アルバムは全部で9枚出してます。

上) 意外と少ないね、年数の割にはね。

は) 年数の割には少ないですね。2019年に殿堂入りしたり、あとグラミー賞も3回ぐらい取ってたり。まあそうですね、世界最高峰のバンドといって過言ではない功績もあり、人気もありっていう感じですね。で、その41年変わってないバンドメンバーですが、まずボーカル、トム・ヨークさんですね。ギターもピアノも弾くし、曲を書く人ですね。ジョニー・グリーンウッド、リードギターですね。前髪が長いリードギターで、鍵盤とか、オーケストラなんかの譜面も書く人ですね。

上) そうなんだ。

は) この人一番年下です、ジョニー・グリーンウッド。コリン・グリーンウッド、お兄ちゃんですね。お兄ちゃんがベースです。もともとジョニーが入ったのは、このコリン・グリーンウッド、ベースの人が連れてきたそうです。

上) 弟を入れてくれんか、って言って。

は) ギターで入らんかって。エド・オブライエン、彼はギターですね。なので、レディオヘッドはギターが3本います。この人はギターを弾くというより、どっちかというとエフェクティブな、

上) うんうんうん。

は) エフェクターですごい音を出す人ですね。

上) 何でもさせられてるよね。楽器持たずにコーラスだけしてる時とかさ。

は) ありますね。

上) なんかシェーカーみたいなのだけ振ってる時とかさ。なんか何でもするなって。

は) その他なんでもって感じですね。

上) うんうんうん。

は) フィル・セルウェイさんですね。彼はドラマーですね。フィルが一番年上なんですね。

上) あ、そうなんだ。

は) プロデューサーのナイジェル・ゴドリッチさんですね。彼、アルバム、2枚目のアルバム以降、今まで全部プロデューサーとして参加してて、ほぼほぼレディオヘッドイコールナイジェル・ゴドリッチみたいな点もあります。

ブリットポップより先に売れていたバンド

は) レディオヘッドですね、90年代のイギリスのバンドなんですよね。90年代のイギリスって言ったら、やっぱオアシスとブラーのブリットポップが、

上) うんうんうん。

は) 一番熱かった時代なので。

上) うん。

は) それが94年なんですよね、オアシスデビューが。レディオヘッド、実は「Creep」出したの92年で、

上) あ、そうなの。

は) 彼らより先なんですよね。

上) へー。

は) ちょっと先輩。

上) 知らんかった。

は) ブリットポップの仲間みたいな感じで売り出されたんで、本人たちもあんまり納得いってないというか、いや違うだろうっていう感じでしたね。で、結構一番売れたの、『OK Computer』あたり、3枚目のアルバムあたりは、もうすでにブリットポップ終わった後ぐらいなんで。まあそうですね、オアシス、ブラーと並べるようなバンドでもないかなっていう感じですかね。

1枚目『Pablo Honey』と「Creep」

は) っていったところで、ちょっとアルバムですね。もうレディオヘッドはアルバムを追ってったら大体このバンドを追っていけるので、基本的にはアルバム単位での話しかできないんですけど、バババーっと重要なとこだけかいつまんで、バババーっといきますと、アルバム1枚目『Pablo Honey』、93年ですね。でもこのアルバムは「Creep」ですね。「Creep」のためのアルバムみたいな感じのところがあるので。

上) 印象にないですね。

は) 印象にないですよね。「Creep」を92年に出します。要するに先にシングル出すんですよね、デビューシングルで。その「Creep」、「Creep」言うてますけども、「Creep」ですね、そのどんな曲かっていうと、好きな女の子がいて、でも自分には釣り合わない、俺はキモいやつだ、ここにいるべきじゃない、っていうのをひたすら歌う歌。

上) うんうん。キモいね。

は) で、キモい歌なんですよね。

上) うんうん。

は) 歌詞がやべえ。結構静かに始まって、サビの直前でガガガガってギターの音が入って、バーンって爆発するみたいな構成ですね。

上) うんうん。

は) 有名な話で、このガガガガっていうギターのノイズは、ジョニー・グリーンウッドが、

上) うんうん。

は) あまりに曲が静かすぎるから全然面白くないと。

上) うん。

は) それを壊すつもりで思いっきりそれやったら受けて、そのまま採用された、

上) うーん。

は) っていうやつですね。

上) 実際あれがないと本当につまんない曲ですよね。

は) そうですね。その判断は正しかった、

上) うんうん。

は) っていう感じですね。これ、イギリスでどんぐらい売れたと思います?

上) へー。

は) 初回。

上) 90年代のCDとかだからね、やっぱ売れる、CDが売れる時代ですよね。わかんないね。日本だとさ、100万枚売れたらめちゃめちゃ売れたとか言うじゃないですか。そんなもんじゃないってことでしょ、多分。

は) これね、シングル最初6000枚しか売れてないんですよ。

上) あれあれ、6000枚。はい。

は) あのね、全く売れなかったんですよね。

上) あ、そうな。

は) イギリスで。で、これ実は先にアメリカで売れたんですよ。

上) へー。

は) イギリスでシングル、イスラエルだったかな、かなんかで売れて、そっから逆輸入的にイギリスで流行ったんですよ。

上) へー、そうなんだ。

は) なんでアメリカで売れたかって言ったら、この92年当時、

上) はいはいはいはい。

は) ニルヴァーナの時代だったんですよね、アメリカは。「Creep」というか、『Pablo Honey』自体、結構グランジ的なアルバムなので、それで先にアメリカで売れたっていうところですね。

上) ちょい暗いですからね。

は) 結構静かなギターロックで始まってガーンっていくっていうのは、ピクシーズというバンドがですね、よく作った型なんですけど、ニルヴァーナもそれを参照して、そういう感じの曲が多いですけど、その流れでレディオヘッドがハマったっていう。で、そうですね、その後イギリスで逆輸入で売れたっていうのが『Pablo Honey』ですね。ただね、あの、この日本ツアーが決まってからいろいろ聞いたんですけど、まあ順を追って。なんか今ね、『Pablo Honey』聞いたら案外いいなって思いましたね。

上) 本当。

は) なんかこれはこれで、みたいな感じがありましたね。

上) 確かに今聞いたら違うのかもね。なんか二十歳ぐらいの時はちょっと物足りない感じしたけど。

2枚目『The Bends』:ギター3本のバンドとして完成する

は) なんか若くていいなっていう感じがありましたね。で、2枚目、95年に、2年後ですね、『The Bends』を出します。これ95年なんで、オアシス、ブラーが殴り合ってる時代なんですけど、

上) はいはい。

は) その中にボンと出すわけですよね。

上) うんうん。

は) 『Pablo Honey』って本当ギターロック、グランジーなアルバムなんで、5人の演奏があんまり活かされてないんですよ。

上) うんうんうんうんうん。

は) 3、4人でできるような音だったんで。

上) うん。

は) 実際に3ギターの5人で音出したらこうなる、っていうのを目指して作ったアルバムなんですよね。

上) うん。

は) ギター3本の重なりを意識して作った。これは未だにライブでも定番の曲、「Fake Plastic Trees」とか、

上) うんうん。

は) 未だにやり続けられているアルバムですね。

上) うんうんうんうん。

は) 当時、今ほど売れてなかったらしくて。

上) あ、そうなんだ。

は) 結構ブリットポップに埋もれたらしいですね。やっぱり一番入り口としては親切設計って感じですよね。

上) うんうんうん。めちゃくちゃ聴きやすいアルバムって感じですよね。

3枚目『OK Computer』:ブリットポップと入れ替わりで頂点へ

は) で、その2年後ですね、出るのが3枚目、『OK Computer』ですね。

上) 何があったんって感じですよね、このアルバムね。

は) やっぱね、『OK Computer』がやっぱレディオヘッドの中でも一番の名作の一つと言われてますね。

上) うーん。

は) 97年って、まだ携帯もネットもそこまで普及してない時代なんですけども、人がコンピューター、機械に囲まれてどんどん落ち着かなくなる感じっていうのをコンセプトに作ったアルバムなんですよ。

上) あ、そうなんだ。

は) なんでもう、今『OK Computer』の時代になったなっていう感はありますね。

上) はいはいはい。

は) 『OK Computer』、そうですね、一曲挙げるとしたら、やっぱり「Paranoid Android」という曲になりますね。

上) いやー、もう「Paranoid Android」は本当にかっこいいですね。レディオヘッドを知ってはいたけれども、「Paranoid Android」を聞いたときにもう本当に好きになったって感じでしたね。恋に落ちたって感じでした。

は) 恋に落ちた曲。この曲6分半あるんですけど、途中で3回ぐらい別の曲になりますね。そこはかっこいいところなんですけど、それをシングルで出した。これシングルで出したんですけど、

上) うんうん。

は) っていうところがすごい攻めてますね。

上) うんうん。

は) あとは『The Bends』から変わった点でですね、ギター3本あって、なんかギターがそのギターとしてなってない、

上) はい。

は) かっこいいギターのためになってない、

上) うんうん。

は) っていう音の形を作ったのが、この『OK Computer』ぐらいかなって思いますね。

上) 確かに特殊な音を出してましたね、結構。

は) なんか変な音をギターで出すみたいな、

上) うんうんうん。

は) 感じですね。で、このアルバムでロックバンドとしては頂点に立ったアルバムですね。

上) うんうん。

は) 97年なんで、完全にオアシスが失速してブリットポップ終わったのと入れ替わりみたいな感じでもあるんですよ。

上) うんうん。

は) ブリットポップの時にどこにも属せなかったレディオヘッドというバンドが、入れ替わりでトップになった、

上) なるほどね。

は) っていう象徴のアルバムでもありますね。ただ、このアルバムですね、あまりに売れすぎて、世界ツアーの途中でトム・ヨークがもう歌いたくないと。

上) あ、そうなんだ。

は) もう自分の声もギターの音も聞きたくないっていう精神状態に陥ったらしいんですよ。次のアルバムを作ろうとしても、1年以上何も曲が書けなくなった。

上) あー、そう。

は) 以降ですね。

上) うんうん。

4枚目『Kid A』:ギターをやめてみる

は) で、その3年後、そんな状況の中出たのが4枚目、『Kid A』ですね。

上) これもまた何があったみたいな感じの変わり方ですよね。

は) 『Kid A』はですね、まあレディオヘッド、3人ギターがいるギターロックバンドですが、『Kid A』に至ってはギターがほとんど鳴らないと。ずっとシンセと打ち込みとオーケストラと謎の電子音みたいなので成り立っているアルバムですね。トム・ヨーク自体の声もかなり加工されて、何を言ってるか分かんないような、

上) ね。

は) 半分聞き取れないようなデジタルな声になってますね。1曲目ですね、いきなりこう、全部あるべき場所にあるっていう言葉をずっと繰り返すだけっていう、

上) (笑)

は) 曲なんですけど。おそらく『OK Computer』でギターの音も自分の声も聞きたくない、

上) うんうん。

は) ってなった精神状態から生まれた、

上) あー、確かにね。

は) ものだろうなっていう流れで見ると。

上) 確かにね。

は) もう嫌になったんでしょうね。

上) うーん。

は) うん。

上) そっか。そうだね、そう言われるとすごくしっくりくる感じになってるね。ギターも鳴らないし、

は) ギターも鳴らないし。

上) 自分の声ももう加工されてるしっていうね。面白いじゃん。

は) ここでね、結構重要な人物がいまして、あの、ビョークですね。この頃のトム・ヨーク、ビョークとすごい仲いいというか、ビョークの影響をかなり受けてまして。

上) うんうん。

は) 打ち込みのビートとオーケストラとっていうのを同居していいんだっていうのに気づいたのは、ビョークのおかげだそうですね。

上) うんうん。

は) 急に違うバンドになったみたいな言われますが、

上) うん。

は) 実際にその見本というか、ビョークがそれやってるんですよね。なので、そこも影響をかなり受けた、

上) なるほどね。

は) っていうところですね。あとは売り方も結構変えまして、『Kid A』からシングルカットが一枚もなかったんですよね。

上) あー、なるほど。

は) ミュージックビデオも作らなかった。

上) うんうん。

は) 取材も受けなかった、宣伝もしなかったっていう状況で、全米一位取ってるんですよ。

上) すごいね。

は) 当時から賛否両論なアルバムでしたけど、これで終わってもいいぐらいの感じだったんですかね。そうね、後々評価がどんどん上がっていって、もう今では2000年代のベストアルバムの1位みたいな、よく選ばれるようになりましたけど、そういう経緯で出てきたアルバムっていう感じですね。

5枚目『Amnesiac』:同じ材料で違う味を出す

は) 続いて、『Kid A』が2000年ですね。その1年後、5枚目のアルバム出します。結構短スパンですね。『Amnesiac』っていうやつですね。

上) いいですよね、これもね。すごく。

は) これもいい。この『Amnesiac』はですね、『Kid A』と同じ時期にレコーディングした曲なんですよね。

上) うんうんうん。

は) ただ、その同じ時期に録って捨てた曲というわけではなくて、ちょっと『Kid A』とは毛色が違うなっていう、

上) うんうん。

は) 外された曲でできてるのが、

上) あ、そうなんだ。

は) 『Amnesiac』で。『Kid A』がすごい冷たいアルバムなのに対して、

上) うんうんうん。

は) 『Amnesiac』は結構湿ってるアルバムって言われますね。

上) あ、そうなんだ。結構バンドサウンドもしっかりある感じですよね。融合してる感じというか。

は) そうそうそうそう。やっぱ同じ時期なので、材料は一緒なんですよね。

上) うん。

は) 材料は一緒だけど違う味出すっていうのが『Amnesiac』かなって思いますね。一曲選ぶならね、「Pyramid Song」っていう、これはピアノの曲なんですけど、本当に拍がどこにあるか分かんない謎の曲っていう感じですけど、いまだにライブでは山場の曲ですね、『Amnesiac』。

6枚目『Hail to the Thief』:捨てたギターが帰ってくる

は) はい。で、その2年後ですね。2年後なんで結構短スパンなんですけど、『Hail to the Thief』という6枚目のアルバムを出します。ここで一度捨てたはずのギターが帰ってくるんですよね。

上) ちゃんとギター帰ってきてますよね。うん。

は) 『Kid A』で手に入れた電子音と、初期の頃のギターが帰ってくるアルバムっていう感じですね。

上) うん。

は) レコーディングもすごい短期間でバーって録ったみたいですね。

上) えー、そうなんだ。

は) ただ、当時のアメリカの大統領選について歌っている曲が多くて、結構政治色が一番強いアルバムでもあります。「2 + 2 = 5」っていうね、2たす2は5っていう曲から始まるんですけども、そういう嘘が通ってしまう世の中を皮肉った歌みたいなアルバムですね。個人的一番好きなアルバムは本当に時期によって変わるんですけど、『Hail to the Thief』は結構、結構1位になる率が高いです、個人的に。

上) いい曲多いですよね。

は) そう。なんか9枚アルバム並べたとき、割と下の方に入っちゃうアルバムかなと思うんですけど、

上) なんかこう、代表曲みたいなのがそのアルバムの中にあんまないけど、

は) いい曲多いんですよ。

上) 全部平均点高いみたいな曲で、アルバムじゃないですか。

は) 爆発力というか、優等生みたいな。

上) うんうんうん。いい曲がいっぱい入ってるみたいな感じのアルバムの印象です。

7枚目『In Rainbows』:値段を客に決めさせた

は) 7枚目ですね、4年後。ちょっと時間空けてって感じですかね。

上) うんうん。

は) 『In Rainbows』、7枚目のアルバム出しますね。このアルバムはですね、レコード会社との契約が切れて、次の契約がまだ結べない状態で、自分たちのサイトでアルバムを出すっていう、実験的にやったアルバムで。アルバム出しますっていう発表から発売まで10日しかなかったんですよ。値段が空白で、いくら払うかは自分で決めてください、っていうスタイルで売り出したアルバムですね。

上) うんうんうん。

は) 当然0円でも買える。そもそもダウンロード販売っていうのが当時そこまで普及してないというか、

上) うんうん。

は) 結構新しいことだったんで。

上) 話題になったよね。

は) まあ話題になりましたね。

上) うんうん。

は) 実際どうだったかって言ったら、ダウンロードした人たちの中でお金を払ったのは大体10人に4人だったらしいですね。

上) あー、でも意外と。

は) 40%。平均4ドルぐらい、当時換算で言うと3000円ぐらいじゃないですかね。半分以上はタダでダウンロードしたっていう感じなんですけど、ただそれでも前作の形態よりも稼いだ額は高かったらしいですね。

上) ああ、中抜かれてないからね。

は) 中抜かれてないから。

上) うーん、うーん、そうだよね。

は) ほぼほぼ全部自分たちの取り分になるんで、めちゃくちゃ儲かったみたいですね。中身もですね、これ結構ベストアルバムに挙げる人多いと思うんですけど、

上) 僕も大好きですよ。うん。

は) やっぱりその9枚のオリジナルアルバムの中でも、一番音が温かいというか、安定感あるというか。

上) なんか丸みもあってね。バンドサウンドに帰ってきた時の、ちょっとね、成熟した感じになってますよね。

は) なんか完成したっていう感じがありますよね、ここで。

上) うん。

8枚目『The King of Limbs』:歌より先にリズムがある

は) で、ですよ。その完成した『In Rainbows』の4年後ですね。

上) うん。

は) 8枚目、『The King of Limbs』っていうアルバムを出しますね。で、これ8曲しか入ってなくて、8曲で37分しかないんですよ。

上) うんうんうん。

は) このアルバムは、レディオヘッドが築いてきたバンドサウンドから完全に離れて、歌より先にリズムがあるんですよね。ループするリズムの中に声が乗っているだけみたいな曲が多くて、それを象徴するように、先行でミュージックビデオが出された「Lotus Flower」という曲は、トム・ヨークが帽子をかぶってただただ延々踊るだけ、みたいな感じのアルバムですね。賛否はもう未だに分かれてますけど、ただなんか、それ以降のトム・ヨーク、トム・ヨークの活動を形成したのがこの『The King of Limbs』かなって思いますね。この辺りからあんまり聞いてない感じですかね。

上) 聞いてないね。でもイメージは湧きますね。どういう感じか。じゃあ、どんどん、じゃあ、どんどん(笑)

9枚目『A Moon Shaped Pool』と7年の沈黙

は) 結構ね、本当に一人でできるような曲が多いんでね。で、9枚目ですね。この5年後、2016年の作品ですね。『A Moon Shaped Pool』っていうアルバムなんですけど、このアルバムはですね、まず曲順がアルファベット順なんですよ。なんで、アルバム単位でみたいなことはやめてるんですよね。2016年の時点でそれを考えてるっていう。もう今後配信になるから順番は関係ないと。最後の曲、「True Love Waits」っていう曲があるんですけど、この曲、95年から20年以上ライブでずっとやり続けてたけど、録音を今までしなかった曲っていうのが最後に入ってるんですよ。

上) うん。

は) で、このアルバム、ジョニー・グリーンウッド、ギターの人ですね、が書いたオーケストラがすごい前面に出てくる。

上) うん。

は) なので、レディオヘッドっていうよりかは、レディオヘッドを使ったジョニー・グリーンウッドのアルバムみたいな印象のアルバムですね。そうですね、20年やり続けた曲が最後に入ってるんで、なんか本当にこれを最後にするんかな、このアルバムが最後かな、みたいなちょっと空気感があるアルバムですね。

上) うんうんうん。

は) これ以降7年間、レディオヘッドは活動をやめるんですよね。活動休止に入ると。

上) それはもう宣言してたの?休止しますって。

は) 言ってないんですよね。

上) ああああ。

は) なんかスッと消えましたね。

上) そんな感じしますね。

2025年、毎晩セットリストが変わるツアーで復活

は) で、その7年後、2025年にヨーロッパで、新曲なしのツアーですよね、をいきなりやりだしたと。

上) うん。

は) で、今回のそのツアーですね、えー、1日目と2日目でAパターン、Bパターンみたいな感じで、セットリストが結構ガラッと変わるんですよ、毎晩で。同じAパターンの日でも2、3曲は変えるみたいな感じのやつを今やってますね、ライブで。っていうのが、ざっくりレディオヘッドの歴史ですね。

上) なんか『OK Computer』ぐらいまではすごい真面目に頑張ったんでしょうね。そこから真面目にはやらんとってなったのかな。

は) やっぱもう『OK Computer』で売れたから、やっぱ、

上) うんうん。

は) 作りたいものが作れたっていう感じでしょうね。そうですね、『In Rainbows』、『The King of Limbs』のあたりから、トム・ヨーク、ソロで活動したり、レッチリのフリーと一緒にやったAtoms for Peaceっていう、

上) うんうん。

は) バンドも、アルバム1枚しか出してないんですけど、なかなか名作ですね。

上) うんうん。

同じアルバムを2回作らないバンド

は) このバンド、結局何がすごいのかって言ったら、やっぱアルバムを、同じようなアルバムを2回と作ってないんですよね。

上) そうですね、確かに。

は) ほんと全部音が違う。毎回、今はこの、この感じっていうのを更新し続けるバンドだなって思いますね。

上) うんうん、確かにね。

は) 何がおすすめって言われたら、それは『OK Computer』とか『Kid A』とか出せますけど、結構どれも入り口が違うので、じゃあそこで気に入ったから別のアルバム聴いても、ってなる可能性もあると。

上) 好きですって言われても信用になりませんもんね。どのアルバムをどう好きなのかとか、

は) どこっていう。

上) 全部聴けるのかとか、なんか結構ありますよね。

は) そうそうそうそう。なかなか他にないバンドですね、レディオヘッド。

上) うんうんうんうん。

ジョニー・グリーンウッドとトム・ヨーク

は) で、なんかそういう音を決めてたのも、5人でずっとやってるバンドですけど、グリーンウッドとトム・ヨークの発言力がすごい強いバンドなんですよね。ジョニー・グリーンウッドは加入した時まだ学生なんですけど、最初ギターじゃなかったらしいんですよね。ハーモニカ担当だったらしいです。

上) どういうことなんだろうね。うん。

は) 多分それもあって、ギターっていう楽器を、弾く楽器から音を出す装置みたいに変えた。

上) うんうんうん。

は) そうなんですよね。エフェクターであったり、ノイズであったり、変拍子で弾いたりとか、ギターに全くこだわらないギタリストっていう感じですね。

上) そうだね。

は) グリーンウッドは結構映画音楽の方で、

上) うーん。

は) 評価されてて、日本だと、

上) はいはい。

は) 『ノルウェイの森』とかの、

上) あれ、そうなんだ。

は) 映画の音楽とか作ってますね。トム・ヨークはですね、結構幼少期はいじめが多かったらしくて、生まれつき左目が動かない病気だそうで。

上) うん。

は) 何回か手術して、最後の手術が失敗して、

上) そうなんだ。

は) まぶたが下がったまま今に至るっていう感じ。それが原因でよくいじめられてたんですけど、

上) うん。

は) それもあって多分「Creep」みたいな曲ができたと。

上) なるほどね。

は) そういう人がいきなり世界中のスタジアムに『OK Computer』で立たされて、だんだん受け入れられなくなってきたと、

上) うん。

は) っていう感じだと思いますね。なんかこう、ベジタリアンだったかな、政治的な発言とか、気候変動の発言とか、なんか地球環境の発言とかよくするんですけど、自分のことはあんまり話さないんですよね、トム・ヨーク。うん。なので、すごい難しい人みたいな、

上) イメージあるけどね。

The Smileと、外に居場所を持つ5人

は) イメージありますね。あとは、トム・ヨークはソロで3枚アルバム出してるんですけども、これソロね、『The King of Limbs』がもし気に入った人は、ぜひソロの方に行ってほしい。エレクトロ路線のトム・ヨークっていう感じですね。そんなトム・ヨークとジョニー・グリーンウッドが2人でやってるバンドがありまして、それがThe Smileっていうバンドなんですよね。3人組バンドなんですけど、2022年から活動してます。レディオヘッドが止まってた7年間は、このThe Smileをずっとやってたんですよ。アルバムが3枚、4枚出てるんですけど、レディオヘッドより結構手数が多いというか、生々しいというか、バンドサウンドっていう感じなんですよね。

上) はいはいはい。

は) このバンドがあったんで、3人のバンドなんで、5人待たなくていいんですよね。ソロの、

上) はいはい。

は) 回転が早いんですよね。

上) うんうんうんうん。

は) レディオヘッド、他の3人もソロでいろいろやってたりはするんで、The Smileがあったからトム・ヨークはずっと活動し続けたし、

上) うん。

は) 全員が全員、外でいろいろやることあるから、事実上解散みたいな話にはならなかったのかなと思いますね。そんな感じですね、レディオヘッド。

上) みんなソロでやってるんだね。ソロっていうか、個人でなんか。

『Kid A』以降は、踊って聴く

は) いろいろやってますね。特に、そうね、『Kid A』以降のレディオヘッドって難しいって言われるじゃないですか。ここで俺が伝えたいことがありまして。『Kid A』以降ね、電子音が多いから当時は難しいって言われてたんですけど、今聞いたらもう、普通にポップスでも電子音あるから、

上) うんうん。

は) そこまで難しくないと思うんですよ。

上) いや、そう思った。あの当時はね、

は) うん。

上) バンドサウンドなイメージがあったから、

は) うん。

上) ちょっと電子音自体が聞きづらいっていうのはそうだったけど、なんじゃないんじゃない、今。

は) なんじゃないんじゃないかなって思いますね。あとね、ライブをぜひ見てほしいんですよね。そう、ライブ映像で見ると結構ロックしてるんですよ。その『Kid A』の曲でも、特にですね、「The National Anthem」っていう曲とか、テンポバリバリ上がってるし、手拍子だしっていう感じもありますね。あと、『In Rainbows』の頃はYouTubeで「From the Basement」っていう映像が見れるので。スタジオライブの映像ですね。

上) うんうん。

は) これがもうすごい良いですね。

上) いいですよね。

は) あと『The King of Limbs』以降もですね、トム・ヨークが延々踊ってるミュージックビデオですね。実はもうそれが正解で、ヘッドホンで割と大きめの音量で聞きながら一緒に踊ってみたら、多分、レディオヘッドって踊れる曲なんだっていうのが分かると思います。実はとても踊れるバンドなんです。部屋の片隅で正座して聞くような音楽ではないと。

上) うんうん。

は) クラブで踊りながら聞いても気持ちよくなれるバンドなんだというのがよくわかると思いますね。もしレディオヘッドに触れたことがない人は、ぜひそのような聞き方をしてみてはいかがでしょうか。

上) ぜひ。

まとめ・来日公演は5日間で18万人

は) どうです、久しぶりにレディオヘッド聞こうかなってなりました?

上) そうですね。キング、キングズなんとか、

は) 『The King of Limbs』ですね、8枚目。

上) はいいかなと思ったんですけど、昔のもう一回聞き直したいなと思いました。

は) 一番新しいやつなんかもいいと思いますけどね。もう一度聞いてみては。

上) はい。

は) もう一度言っておきますと、2027年6月に8、9、11、12、13日ですね、5days行われます。おそらくセットリストも毎日変わるような感じじゃないかなと思われます。今イープラスで絶賛先行、先行抽選中。

上) 行きたい。

は) どうなんですかね。計算したら5日間で18万人動員なんですよ。レディオヘッド聞きたい人が18万人いるかどうか、

上) 5日間行くやつらがいるでしょ。

は) っていうとこですね。5日間行くやつらもおるし、アジアでは日本だけなんですよ。

上) ああ。

は) ちょっと世界中から集まる可能性があるので。

上) 確かにね。

は) ちょっとどのくらいチケット取るのが難しいかは分かりませんが、私は5日間申し込んでます。最低2日は行きたい。

上) 全部当たったら行くんですか、全部。

は) いや、最低2日でいいですね。2日は行きたい、やっぱり。

上) 違いよね。

は) この番組の文字起こしや関連記事はCULATIVE.comで掲載されてますので、そちらもぜひご覧ください。それではまた、さようなら。

上) さよなら。

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