ゴジラ入門|何から観る?『ゴジラ-0.0』の前に観たい70年分
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ゴジラ入門|何から観る?『ゴジラ-0.0』の前に観たい70年分

ゴジラは1954年に東宝の映画で生まれた怪獣で、日本の実写映画だけで30本を超える。2026年11月3日には新作『ゴジラ-0.0(マイナスゼロ)』が公開される。11月3日は初代『ゴジラ』の公開日で、「ゴジラの日」と呼ばれている。

  • 昭和(1954〜75)は怖い怪獣から人間の味方へ、平成(1984〜95)は怖いゴジラに戻して再開、ミレニアム(1999〜2004)は1本ごとに設定を作り直した
  • 70年のあいだに、怖がられ、頼られ、拝まれて、また怖いゴジラに戻ってきた
  • 『-0.0』の予習なら『三大怪獣 地球最大の決戦』、原点なら初代『ゴジラ』、まず1本なら『ゴジラ-1.0』

ゴジラはどんな怪獣か

初代『ゴジラ』は1954年11月3日公開。監督は本多猪四郎、特撮は円谷英二。海の底で生き残っていた太古の生き物が、水爆実験で住処を追われて東京に上陸する。

公開の8か月前、ビキニ環礁のアメリカの水爆実験で、日本のマグロ漁船・第五福竜丸が被ばくしている。戦争が終わってまだ9年で、空襲の記憶が新しい人たちの前に、ゴジラは現れた。観客は961万人入ったそうだ。

その後のゴジラは、人間の敵になったり味方になったりしながら作り直されてきた。シリーズは何度も休み、そのたびに前の作品をなかったことにして、初代の続きから始め直している。

昭和(1954〜1975):怖い怪獣から、人間の味方へ

初代の翌年、1955年の『ゴジラの逆襲』では、ゴジラが初めて別の怪獣と戦う。相手はアンギラスで、舞台は大阪。ここから怪獣同士の対決が日本の怪獣映画の形になった。

1962年の『キングコング対ゴジラ』は、アメリカのキングコングと日本のゴジラの対決。観客は1,120万人で、いまもシリーズで一番多い動員数。

『モスラ対ゴジラ』(1964)

台風のあとの海岸にモスラの巨大な卵が流れ着き、興行師がそれを見世物にしようとする。そこへゴジラが現れ、卵を守りに来たモスラと戦う。

善い怪獣と悪い怪獣をはっきり分けて戦わせたのは、この作品が初めて。ゴジラは悪役の側で、昭和のシリーズでゴジラが相手の怪獣に負けるのはこの1本だけ。親子連れが多く入り、ここからゴジラ映画は毎年作られるようになった。

『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964)

キングギドラが初めて出てくる作品。キングギドラは、5000年前に金星の文明を滅ぼした、首が3本の金色の竜。隕石とともに黒部峡谷に落ちてくる。

モスラはゴジラとラドンに、一緒に戦ってほしいと頼む。2匹は最初、人間を助ける義理はないと断るが、ひとりでギドラに向かっていくモスラを見て加勢する。

ゴジラが人間を襲う側から、地球を守る側に回った最初の作品で、ゴジラの転換点になった。新作『-0.0』にはキングギドラが出る。その最初の姿を観ておけるのも、いまこの1本を勧める理由だ。

『ゴジラ対ヘドラ』(1971)

公害で汚れた海のヘドロから生まれた怪獣、ヘドラと戦う。当時の田子の浦港のヘドロ公害や四日市のコンビナートが題材になっている。

アニメーションや画面の分割を差し込んだ、サイケデリックな作り。ゴジラが熱線の反動で後ろ向きに空を飛ぶ場面もある。公開当時は評価が二分し、アメリカでは「世界最悪の50本」に選ばれたが、のちに公害を風刺した映画として見直され、カルト的な人気がある。

昭和のゴジラは子どもの観客が増えるにつれてヒーローになり、1975年の『メカゴジラの逆襲』で観客は97万人まで落ちた。初代の10分の1で、ここで9年休むことになる。

平成(1984〜1995):もう一度、怖いゴジラに

『ゴジラ』(1984)

9年ぶりの再開は、怖いゴジラに戻すところから始まった。初代から30年後という設定で、2作目から15作目までの昭和のシリーズとは話がつながっていない。

ゴジラがソ連の原子力潜水艦を沈め、米ソが日本に核兵器を使わせろと迫る。冷戦の末期で、首相は非核三原則を理由に断る。怪獣対決ではなく、災害パニック映画に近い作りになっている。配給収入は17億円で、1985年の邦画で2位だった。

ここから1995年までは、毎年12月に1本ずつ作られた。

『ゴジラvsモスラ』(1992)

平成のシリーズで一番観客が入った作品。観客は420万人で、1993年の邦画の配給収入で1位になった。

隕石の落下でゴジラが目覚め、同じ頃に南洋のインファント島ではモスラの卵が見つかる。北極の氷から目覚めたもう1匹の蛾の怪獣、バトラも現れて、最後は横浜のみなとみらいの上空で3匹が戦う。平成のシリーズで初めて、自然破壊を題材にした作品でもある。

『ゴジラvsデストロイア』(1995)

宣伝のコピーは「ゴジラ死す」。体の中の核エネルギーが暴走し、全身を赤く光らせたゴジラが、最後は東京でメルトダウンを起こして力尽きる。

相手のデストロイアは、初代でゴジラを倒したオキシジェン・デストロイヤーの影響で、海底の微生物が異常に進化した怪獣。初代のヒロイン、山根恵美子も40年ぶりに出てくる。平成のシリーズは、初代につなげて終わった。

ミレニアム(1999〜2004):1本ごとに作り直す

1999年からのミレニアムシリーズは、作品ごとに設定が違う。どれも初代の続きではあるが、ほかの作品とはつながっていないので、どこからでも観られる。

『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001)

監督は、平成ガメラ三部作の金子修介。ゴジラは太平洋戦争で亡くなった人たちの怨念を背負った存在として描かれ、それを迎え撃つのが「護国聖獣」として古代に封じられていたバラゴン、モスラ、ギドラ。

同時上映は『とっとこハム太郎』だったが、ゴジラが怖すぎて、ハム太郎目当ての小さな子が泣いて席を立つこともあったという。

『ゴジラ×メカゴジラ』(2002)

初代ゴジラの骨を使って作った兵器メカゴジラで、新しく現れたゴジラに立ち向かう。主演は釈由美子。

『ゴジラ FINAL WARS』(2004)

ゴジラ生誕50周年の作品で、監督は北村龍平。ゴジラを含めて15体の怪獣が出てくる。「ゴジラシリーズの最終作」とうたわれ、実際にこの後、日本のゴジラは12年間作られなかった。

ハリウッドとアニメ:神になったゴジラ

最初のハリウッド版は、1998年のローランド・エメリッヒ監督『GODZILLA』。舞台はニューヨークで、ゴジラはイグアナのような細い体になり、熱線も吐かない。ほぼ恐竜で、とにかく速い。『ジュラシック・パーク』の影響も感じる造形だった。のちに東宝は、このゴジラを『FINAL WARS』に「ジラ」という名前で出している。

2014年からは、ゴジラとキングコングたちが同じ世界にいるシリーズ(モンスター・ヴァース)が始まった。2019年の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』では、怪獣たちが古代の神々として描かれ、モスラ、ラドン、キングギドラも出てくる。渡辺謙が演じる博士の名前は芹沢猪四郎。初代の芹沢博士と、監督の本多猪四郎から取られている。

日本では2017〜18年に、アニメ映画の3部作『GODZILLA 怪獣惑星』『決戦機動増殖都市』『星を喰う者』が作られた。脚本は虚淵玄で、舞台は人類が地球を離れて2万年後。ゴジラは自然そのもののように地球に君臨していて、キングギドラは宇宙人の一族に神として崇められている。各章は劇場公開の約2か月後に Netflix で全世界に配信された。

2016年以降:『シン・ゴジラ』と『ゴジラ-1.0』

『シン・ゴジラ』(2016)

12年ぶりの日本のゴジラ。総監督は庵野秀明で、話の中心は怪獣よりも、ゴジラに対応する政府の会議にある。東日本大震災のあとに作られ、震災を思わせる描き方をしている。興行収入82.5億円は、日本の実写のゴジラで一番多い。

この後に『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』が続いた。ゴジラの代表作というより、外伝に近い特殊なゴジラだと筆者は思う。

『ゴジラ-1.0』(2023)

監督は山崎貴。舞台は1945〜47年で、焼け野原になった東京にゴジラが現れる。軍がもうない日本で、民間人だけでゴジラを倒そうとする話だ。

『シン・ゴジラ』の震災から、恐怖の対象はまた戦争と原爆に戻り、初代のような、怖いゴジラだった。視覚効果を作ったのは白組と呼ばれる約35人のチームで、製作費は15億円以下。ハリウッドの10分の1以下の製作費と言われるが、それでアカデミー賞の視覚効果賞を取った。邦画でもアジア映画でも初めてのことだった。

『ゴジラ-0.0』(2026年11月3日公開)

『-1.0』の2年後、1949年が舞台の続編。監督・脚本・VFX は引き続き山崎貴で、神木隆之介と浜辺美波も続投する。北米では11月6日に公開され、日本のゴジラが日米ほぼ同時に公開されるのは初めて。

9月にニューヨーク映画祭で初めて上映され、キングギドラが出ることが明らかになった。予告には、ゴジラがニューヨークに上陸する映像もある。

予習なら『三大怪獣』、まず1本なら『ゴジラ-1.0』

『-0.0』の前に1本だけ観るなら、『三大怪獣 地球最大の決戦』を勧めたい。キングギドラが初めて出てくる作品で、ゴジラが人間の味方に回った転換点でもある。

原点を知りたいなら、初代『ゴジラ』。白黒だが、今観ても結構面白い。

とりあえず1本なら『ゴジラ-1.0』。いま一番観られているゴジラで、初代と同じ、怖いゴジラが観られる。

CULATIVE編集室
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