Jack White JAPAN TOUR 2025ライブレポート・広島|やっと、ロックスターに会えた
2025年3月10日、広島BLUE LIVE。
Jack Whiteをついに生で観た。大学生の頃から憧れ続けて、何度かあった来日のタイミングをことごとく逃し、それでもずっと聴き続けてきたアーティストだ。
初めて目の前で見たその姿は、自分の中のロックスターそのものだった。
Jack Whiteという存在
出会いは大学生の頃、The White Stripesからだった。
その後The Raconteurs、The Dead Weather、ソロと、どの時代の楽曲もずっと好きだった。
来日のチャンスは何度かあったが、タイミングが合わずに見逃し続けた。2022年のフジロック出演も、参加できなかった。今回のソロでのジャパンツアーは初来日ということもあり、今度こそという気持ちで向かった。
ちなみに公演前日、Jack Whiteは広島のレコードショップに現れていたらしい。偶然近くにいただけに、ニアミスだった。惜しい。
この日のために、White Stripesのオリジナル楽曲を並べたTシャツを自作して臨んだ。それくらいの気持ちで向かったライブだった。

広島BLUE LIVEという場所
会場は海沿いにあり、3月の潮風はまだ寒く、開演前に外で待つ時間は待ち遠しかった。
中に入ると、広くもなく狭くもないという規模感だが、Jack Whiteを観る箱としては十分に近い距離感があった。印象的だったのは会場内の青い照明だ。Jack Whiteのソロもテーマカラーは青だ。BLUE LIVEという会場名の通りの演出との親和性が高く、最初から空間としての一体感があった。

『NO NAME』とガレージロック回帰
今回はソロ最新作『NO NAME』(2024年)のツアーだ。
これまでのソロ作品はどんどん複雑化していく印象があった。それに対して『NO NAME』はシンプルなギターリフを前面に出した作りで、ガレージロックへの回帰とも言える内容になっている。
今回のツアーはその方向性と一致するように、Jack Whiteを含む4人編成で回っている。ベース、ドラム、ギター、キーボードというシンプルな構成で、これまでのソロツアーではバイオリンを加えた6〜7人編成だったことを考えると、原点回帰とも言える選択だ。人数が絞られた分、バンドとしてのグルーヴ感がダイレクトに伝わってくる。音源で聴いた時点でその手触りは感じていたが、ライブで観てより確信した。
シンプルな楽曲はステージで化ける。『NO NAME』の曲たちは、ライブで初めて全貌が見えるアルバムだった。
ステージの記憶
Jack Whiteのセットリストは毎回固定されていない。何をやるかは当日まで分からない。
ファンとしてはWhite Stripesから何をやるかが特に気になるところだが、この夜はたっぷりやってくれた。
「Dead Leaves and the Dirty Ground」のイントロが流れた瞬間、それだけで嬉しかった。個人的に特別な曲だ。
「Cannon」と続くWhite Stripesのブロックは、ファンとして望んでいたものが揃っていた。
ソロの「Freedom at 21」は久しぶりに聴いたが、やはりかっこいい。時間が経っても色褪せない。
「Seven Nation Army」はお決まりではあるが、会場の盛り上がりはこの日最大だった。あのリフが鳴った瞬間の空気は、何度聴いても特別なものがある。
1. Intro Jam
2. Old Scratch Blues
3. That's How I'm Feeling
4. Dead Leaves and the Dirty Ground(The White Stripes)
5. It's Rough on Rats (If You're Asking)
6. Phonograph Blues(Robert Johnson cover)
7. Little Bird(The White Stripes)
8. Hotel Yorba(The White Stripes)
9. Love Interruption
10. Broken Boy Soldier(The Raconteurs)
11. Ball and Biscuit(The White Stripes)
12. Cannon(The White Stripes)
13. Outlaw Blues(Bob Dylan cover)
14. What's the Rumpus?
15. Freedom at 21
16. That Black Bat Licorice
17. Archbishop Harold Holmes
〜encore〜
18. Encore Jam
19. Steady, as She Goes(The Raconteurs)
20. Lazaretto
21. The Hardest Button to Button(The White Stripes)
22. Seven Nation Army(The White Stripes)
White Stripesが鳴った夜
Jack Whiteのギターの音は、他に似たものがない。
自由なステージングと、言葉にしにくい種類のかっこよさ。ギターという楽器の可能性を限りなく広げるような演奏で、それが目の前で起きていた。
The White Stripes、The Raconteurs、ソロと、どのフェーズの楽曲も同じ一本の線で繋がって聴こえるのは、Jack Whiteというアーティストの核が変わっていないからだと思う。
東名阪だけでなく広島に来てくれたことも、素直に嬉しかった。

ロックはまだ死んでいない
ライブが終わった後、感動だった。
やっと生で観られたという感動と、火の打ちどころがないかっこよさへの感動が同時にあった。大学生の頃からずっと憧れていたロックスターに、やっと会えた夜だった。
「ロックはまだ死んでいない」という言葉が出てくるとしたら、こういうステージを観た後だと思う。

