手前のカルチャー

#022 「スティーブン・スピルバーグ」について語る|『ディスクロージャー・デイ』公開前に入門、何から観るか【手前のカルチャー】

オープニング・近況:『まどマギ』『ラスト・サバイバー』『バックルームズ』

は) はい、乾杯。

上) 乾杯。

は) この番組は映画、音楽、アニメ、漫画など、カルチャーをもっと知りたいけどどこから触れればいいかわからないというような方へ向けて、もっと身近に感じるための入り口の手前までご案内していく番組です。はい、私がCULATIVE編集室のはっしーこと橋本拓哉です。それと、

上) いまだにどこから触れればいいか分かっていません、上水優輝です。よろしくお願いします。

は) はい、よろしくお願いします。というわけでですね、最近なんですけど、前回映画が忙しいみたいな話、

上) うんうんうん。

は) ちらっとしまして、いろいろ見てきました。

上) おー。

は) 『まどマギ』か。

上) はい。

は) 『ラスト・サバイバー』っていうやつ。

上) それ何でしたっけ。そんな話しましたっけ。

は) これはね、あの、人、名前が出てこん。そういうやつがあって、

上) どういうやつだよ。

は) あとあと、『バックルームズ』見に行ってきました。

上) 『バックルームズ』。

は) 別にそれぞれ、

上) はい、何でしょう。

は) 話すほどでもないんですけど、『まどマギ』めっちゃ良かったですね。

上) あ、本当。

は) なんか世間的にはそんな感じなんですけど、個人的にはすごい良くて。13年ぶりでしたかね、映画化っていうので、映像表現がとんでもないことになっとって、どんな思考回路でこれを作ったんだろうっていう映像でしたね。サイケデリックというか、薬やってんじゃねえかっていう感じの映像でしたね。『ラスト・サバイバー』は、世界が崩壊した後、パンデミックで世界が崩壊した後どうやって生きていくかみたいな話なんですけど、なんか思ってた映画と違ったなって感じですかね。世界の崩壊を描くんじゃなくて、世界が崩壊した後を描いてたんで。

上) なるほど。

は) どっちかというとロードムービーに近い感じ。

上) そうなった。

は) こんな感じか。『バックルームズ』ですね、A24の新しいホラー、

上) あ、ホラーなんだ。

は) 映画で。

上) はいはい。

は) アメリカの2ちゃんねる、4chan。

上) うん。

は) 1枚の写真がアップされたんですよ、黄色い、

上) うん。

は) 部屋。無機質な黄色い巨大な部屋、

上) うん。

は) の写真がアップされて、

上) うん。

は) だんだん都市伝説みたいになってって、で、それの映画化なんですよ。

上) あ、え?

は) それを題材にした映画化。

上) あ、そうなんだ。面白。

は) なんか結構『8番出口』とか、

上) はいはいはい。

は) そっち系な感じなんですけど、ただホラーだけど、なんかびっくりさせる系のホラーじゃないんで、

上) わかると怖いみたいなやつ?

は) 案外なんか、何なんだこれはみたいな感じのホラーなんで、

上) ああ。

は) 案外、優輝さんもいけるかも。

上) 確かに。

は) っていう感じでしたね。

上) びっくりホラーはダメなんですね、僕はね。

は) うん。なんかじわじわホラーでしたね。

上) じわじわホラー。

は) うん。

上) なら行けるかもね。

は) なんか最近映画とか見ました?

上) 映画はね、一切見てないですけどね。

は) 見た?

上) 美術館とかに行きまくってますね。

は) 見てないです。おー、いいじゃん。

上) 最近ね、ロン・ミュエクを見たりだとか。

は) うー、それは何?常設の?

上) 常設じゃない。何ヶ月くらいだったかな、春からちょうど9月いっぱいくらいまでやってるやつとか、常設じゃないやつばっかり行ってますね。髙島野十郎っていう福岡の画家の方の展示とか、あと何だったっけ、あれは杉本博司さんかな、写真家の展示とか。どっちかと言ったら美術館に行ってますね。

は) ハイカルチャーを摂取した。

上) 手前の方で。

今回のテーマはスティーブン・スピルバーグ

は) 手前の方で。というわけで、今回のテーマなんですけど、

上) うっ、はいはい。

は) スティーブン・スピルバーグについて語ろうかなと。

上) おお、さすがにわかりますよ。『E.T.』でしょ。

は) 巨匠ですよ、巨匠。スティーブン・スピルバーグ。

上) 『ジュラシック・パーク』でしょ?

は) そうですそうです。

上) うーん、わかりますよ。

は) わかるじゃないですか。

上) そこぐらいギリギリ(笑)。

は) なんで今スティーブン・スピルバーグがって言ったら、

上) はい。

は) 10月1日からですね、新作『ディスクロージャー・デイ』が日本で公開されるんですよね。

上) ほう。

は) もうアメリカとかでは公開済みなんですけど、4ヶ月遅れぐらいで日本で公開されるという。しかも当初は7月から公開予定だったんですよ。それが延期延期で、今10月になってるっていうところですね。『ディスクロージャー・デイ』ですね、あらすじというか、どういう話かって言ったら、全世界で一斉に宇宙人の情報が開示されるっていう話なんですよ。

上) えー。

は) ディスクロージャー・デイ、開示される日って訳されるんですけど、

上) あ、そういうことね。

は) 久しぶりにスピルバーグが宇宙人というか、宇宙を描く。

上) 『E.T.』の続編ですか。

は) そうなりますね。その系譜ですね。

上) 開示されてなかったもんね、E.T.は。

は) E.T.は秘密裏に処理されたんで。そんなスピルバーグ、今年で80歳だそうです。

上) ああ、そう。頑張るね。

は) 46年生まれ。

上) へえ。

は) おじいちゃんもいいとこですけど。

上) ようやるね。

は) すごいなって。そう、ようやるねーなんですね。

上) 80にもなって宇宙人が開示されたのをすごいですよね。

は) なんかもともとスピルバーグ、アメリカの結構深いところと関わってて、宇宙人について実は何か知ってるんじゃねえかっていう都市伝説が常々あるんですよね。

上) そうなんだ。

は) 『E.T.』とかの時も、いきなり出して人類がびっくりしないようにの前段階として、

上) うんん。

は) あの映画撮ったみたいな都市伝説もあって。

上) はははははは。

気づいたら観ている監督

は) そんな宇宙と関わりが深いスピルバーグなんですけど、

上) うんうん。

は) スピルバーグって言ったら、自分も多分最初『E.T.』なんですよね。

上) うん。

は) でも『E.T.』、『ジュラシック・パーク』あたりは本当リアルタイムでしたし、

上) うん。

は) 結構映画に興味を持ち出したら、なんか避けて通れない人というか、選んで見たっていうよりかは、気づいたら見てたみたいな人かなと思いますね。

上) うんうんうんうんうん、確かに。

は) スピルバーグ映画って、『E.T.』、『ジュラシック・パーク』以外で、あれ見たなみたいなのあります?

上) あのね、覚えてないですね。なんかあるんですかね、いっぱいありそうですけど。

は) いっぱいありますね。『シンドラーのリスト』もだし、

上) あー、そうなの。

は) 『レイダース』、『インディ・ジョーンズ』シリーズ、

上) ふんふん。

は) 『プライベート・ライアン』、

上) あ、そっか。『プライベート・ライアン』ね。

は) 『A.I.』とか、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』、

上) 『E.T.』とか『A.I.』とかやってるんだね。

は) 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』、『マイノリティ・リポート』、

上) おーおー。

は) 『レディ・プレイヤー1』。最近だと『ウエスト・サイド・ストーリー』とかも撮ったりしてますね。これ今あげたの監督作品なんですけど、製作総指揮まで入れたらとんでもない数になって、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とか、

上) うん。

は) 『グーニーズ』とか、

上) あ、そうなの?

は) 『グレムリン』とか『トランスフォーマー』とか、その辺、製作総指揮で入ってるんですよ。

上) へえ、意外。

は) 通ったことない人いないんじゃないか、

上) うんうんうん。

は) ぐらい、なんでもやってる人ですね。そんなスティーブン・スピルバーグですけど、さっき言ったように今年で80歳ですね。デビューが1971年、『激突!』っていう映画なんですけど、これもね、結構面白くて、後ろからトラックに煽られるんですよね。

上) うん。

は) ずっと砂漠みたいなところを走っていくんですけど、ずっと後ろから煽られ続けるっていう、スリラーみたいな感じの。これ一作目なんですけど。

上) 煽り運転の走りってことかね、じゃあ。

は) そうそう。で、

上) そこから始まった、煽り運転は。

は) それだけなのにめっちゃ面白いです、これ。『激突!』おすすめ。

上) まあでもね、『激突』って言っちゃってるからね。ぶつかるんかなとか思っちゃいますよね、煽りだけじゃなくて。

は) 煽りだけじゃなくて。これね、

上) 煽り運転でしょ、タイトル。

は) 煽り運転、『アオラレ』っていう映画が、

上) あるん。

は) 最近ありました。

上) やば。

は) そうですね、スピルバーグ、関わった映画の興行収益が合計1兆円超えた最初の監督で、

上) うん。

は) 世界で一番売れてる監督といって過言ではないそうですね。

上) いやー、そんな感じするね。さっきの話聞いてるとね、知ってる映画ばっかじゃん。

は) しかも全部当ててるっていうね。

上) うん。

は) ほぼほぼ全部当ててますね。

上) すごいね。

は) といったところで、今回はスティーブン・スピルバーグを深掘りしていこうかなと思います。

上) うんうんうん。

『ジョーズ』のサメは4分しか映らない

は) 深掘りなんですけど、ちょっと代表作というか、もし見たことない人もいると思うので、

上) うんうん。

は) 代表作何本かあげていきたいんですけど、

上) あ、そうなん。

は) まず1本目あげるのですね、『ジョーズ』ですね。『ジョーズ』、スピルバーグです。

上) まあ有名な話なんでしょうね、僕知らなかったけど。そ、そうなん。うーん。

は) そうですそうです。1975年の作品ですね。アメリカの小さな海水浴場がある島があるんですけど、そこにサメが来て人を襲うんですよね。

上) はいはい。

は) で、ただ時期的に稼ぎ時の独立記念日、

上) はい。

は) なので、海を閉めるわけにはいかないと。で、こう、てんやわんやしながら、しびれを切らした警察の人と海洋学者と漁師の3人で、

上) うん。

は) 小さい船でっていう話なんですよ。この『ジョーズ』ですね、大体2時間くらいあるんですけど、どんくらい出てくると思います?

上) サメが。

は) サメが。

上) 結構いっぱいで40分が出るんじゃないの、『ジョーズ』?

は) って思うじゃないですか。これね、4分しか出てこないですよね、サメ、『ジョーズ』。

上) そうなの?

は) そう。で、大体映るのはヒレとか、

上) あー、はいはい。

は) 水面が揺れるとか、

上) うんうんうん。

は) 人の顔とか、あと音楽だけで、サメ本体はほとんど出てこないんですよ。

上) あ、そう。

は) 特に有名なのが、砂浜で異変に気づくんですよね、警察の人が。

上) サメがおるぞと。

は) サメがおるぞっていう時に、

上) うん。

は) 恐怖の顔を描きながら、

上) うん。

は) グーって伸びるみたいな。

上) あー。

は) これ今でもよく使われる手法なんですけど、

上) はいはい。

は) そういうところで恐怖を演出した映画っていうので評価されてますね。

上) なるほど。当時のあれなんかで、サメをリアルにやるのが難しかったとか。

は) それもあるんですけど、これ、サメ実物大のロボットを作ってるらしいんですよね。サメロボット作ったんですけど、海に入れるんで、海水で壊れ続けたらしいんですよ。なんで撮影現場はずっと基本サメ待ちだったらしいんですよ。サメ直す待ち。その間撮影できないんで、一旦こう、ヒレと水面だけで何とかしようとしたっていう。

上) 想定よりも壊れちゃって、もうどうしようって、工夫せざるを得なかったみたいな。

は) そう、工夫。そうそうそうそう。

上) そういうこと。

は) そういうことです。

上) もっと出る予定だったんだ。

は) まあ、そのようですね。

上) うんうん。

は) なんで、その結果的に、怖いものをそのまま映すより、怖がってる人の顔の方が怖いっていう、

上) うんうんうん。

は) そっちを見せる方が怖いっていう発見になったっていう作品ですね。ちなみにですね、この『ジョーズ』って、映画の売り方を変えた作品でもあって。基本的に75年当時って、夏はみんな遊びに行くから映画館に行くっていう季節ではなかったんですよ。その頃の常識的には、数館、映画館数館でやって、口コミで広がっていったら、だんだん上映館を広げていくっていう、

上) うーん。

は) じわじわ売る感じの商売だったんですけど、

上) うん。

は) 『ジョーズ』は逆に、全米同時公開、何百館っていうところで同時公開にして、テレビで広告打ちまくったんですよ。

上) 全米一斉公開、初めてやったの。

は) そうそう、あれですね。そしたら大ヒットして、以降、夏は映画の稼ぎ時みたいな。夏映画、冬映画って、夏と冬に大体ヒット作を置いていくんですけど、その流れを作った作品ですね。

上) すごい人、75年の時点でそんなに評価されてたってこと?当時。

は) もう最初からですね、この人はずっとスターみたいな。

上) 何者?

は) 天才というのが『ジョーズ』ですね。

『E.T.』の子ども目線と、いない父親

は) 2本目、2本目『E.T.』ですね。『E.T.』、1982年の作品なんですけど、

上) そんな前なんだ。

は) 生まれる前ですね。カリフォルニアの郊外の住宅地で、10歳の子供の家の庭に宇宙人が置き去りにされているのを見つけると。お母さんにバレないように押入れの中に、ぬいぐるみの中に紛れて隠したりしているうちに、E.T.が「おうち、電話」って、単語単語で喋るようになると。で、E.T.は家に電話したいんだっていうので、なんとか家に帰してあげようとするけど、政府の人に見つかって、で、こう逃げる中、自転車が空飛んで、

上) はいはいはい、ありますね。

は) で、E.T.が帰るっていう話ですね。

上) うんうん。

は) で、これもね、スピルバーグっぽい撮影がいろんなとこにあって、カメラの高さがずっと子供目線なんですよ。

上) えー、面白。うん。

は) 大人はしばらく足しか、腰から下しか映らない。

上) うんうんうん。

は) 確かこの家って、両親が離婚してて、お母さんしかいないんだったかな。

上) うんうん。

は) っていうのも、繰り返しスピルバーグの作品の中で出てくるモチーフ。父親が不在っていう。

上) うんうん。

は) あとは、宇宙船が実際出てくるシーンも、宇宙船を映すんじゃなくて、宇宙船を見上げる顔をずっと撮るみたいな。

上) あー、『ジョーズ』で学習したやつね。

は) 『ジョーズ』で学習したやつ。

上) うん。

は) そうそう、っていうのがスピルバーグっぽい撮影方法なんですけど。お父さんが出てこないっていうのが、実際にスピルバーグ、両親が離婚してて、

上) うんうん。

は) お父さんのことを描けなかったらしいんですよ。

上) お父さんが家にいるということはどういうことか、あまりわからないみたいな。

は) どういうことか。なので、そうなったらしいですね。

上) あー、えー、そうなんだ。

は) あとは、『E.T.』の前作が『未知との遭遇』なんですよね。

上) うん。

は) 『未知との遭遇』は、UFOとコンタクトを取るっていう作品なんですけど、その『未知との遭遇』でやりたかったけどできなかったことを、『E.T.』で全部やったみたいですね。

上) そうなんだ。ていうか本当あれだね、宇宙というか、宇宙人好きなんだね。

は) そうですね。『未知との遭遇』が大人版『E.T.』ってよく言われるんですけど、

上) どんな感じですか?庭にアル中の宇宙人が。

は) 会社員の人が空見てたら、UFOを見るんですよ。

上) はいはい。

は) それが忘れられなくて、ずっと探し続けるっていう話ですね。

上) えへへ。

は) そしたら政府が宇宙人とコンタクト取ってるっていうところを見つけるみたいな話ですね。なので、

上) じゃあ確かに『E.T.』にちょっと接続するんですね、ある意味ね。

は) そうね。『未知との遭遇』は宇宙人が来る話なんですよね。

上) うんうんうん。

は) 宇宙人とかUFOが来る話。

上) うんうん。

は) 『E.T.』はもうすでに地球上に宇宙人がいるっていう話。多分ここと新作は繋がってくるんじゃないかなと思うんですけど、『ディスクロージャー・デイ』が、

上) おぉー。

は) 宇宙人がどうの話なのか。

上) 確かにね。

宇宙人は侵略者だった

は) ちなみに、スピルバーグ以前の宇宙人って、どんな描き方されてたかって知ってます?

上) いや、知らないですよ。だってもう生まれる前ですもん、『E.T.』は。

は) そうそう。

上) ハハハハハハハハハ。

は) 75年とか、それ以前の宇宙人って、基本的には侵略者だったんですよね。

上) あー、なるほど。

は) 『宇宙戦争』とか。

上) うんうん。

は) 怖い存在として描かれてたんですよね。

上) うんうんうん。

は) これ日、、、日じゃねぇ、米ソの、ソ連の比喩として結構使われてたんですよ、宇宙人っていうのが。冷戦時代なんで。で、それを変えたのがスピルバーグなんですよね。結構友好的な存在。それ以前にもあったでしょうけど、それを広げたのですね、っていう感じですね。まあまあ、確かにそこもつながるでしょうね。

上) 時代でもあるんですかね。

は) ちなみに『E.T.』ですね、E.T.を家におびき寄せるときに、ポンポンって置いていくんですよね。それをたどってE.T.がこっちに来るっていう。

上) 単純かな、宇宙人は。

は) スピルバーグ、最初M&M'sチョコレートですね、ちっちゃい粒状の、

上) うんうん。

は) あれを使いたいって言ってたけど、会社から断られたらしいんですよ。

上) あ、そう。

は) ダメだって。

上) 宇宙人に食べさせるもんじゃないって言って。

は) 代わりになんか違うお菓子使ったんですけど、

上) うんうん。

は) 売上がめちゃくちゃ上がったらしくて。で、それ以降、映画とお菓子のタイアップっていうのが流行ったらしいです。

上) すごいね。

は) 一個の産業になったっていう。

上) 映画を使って商品宣伝するみたいな。

『シンドラーのリスト』で初めてのオスカー

は) そんな感じですね。その後『ジュラシック・パーク』とか『インディ・ジョーンズ』とか、

上) うん。

は) いろいろ撮るんですけど、

上) うん。

は) 3本目紹介したいのが『シンドラーのリスト』ですね。

上) はい。

は) これ93年。あらすじがですね、第二次世界大戦の時のポーランドで、ドイツ人の実業家のシンドラーっていう人の実話ですね。実話の映画化。最初はお金儲けのためにユダヤ人を労働力として工場で雇ってたんですけど、だんだん、うちの工場には必要な人間だって、ホロコーストから逃れさせようとして、この人が必要ですっていうリストを作り続けて、収容所から多くの人を救っていったっていう話ですね。印象的なのが、全編モノクロ映画なんですけど、唯一赤いコートを着た女の子だけ色がついてるっていうので出てくるという映画ですね。スピルバーグ、この作品でアカデミー監督賞とか作品賞を取ってるんですよね。それまでデビューからずっと当てまくってたんですけど、記録も結構、歴代記録どんどん塗り替えてって作ってたんですけど、アカデミー賞だけは一回も取れてなかったんですよ。要するに、エンターテイメントすぎて、アカデミー向けじゃなかったっていう。

上) うーん、確かに。『E.T.』とかね、ちょっとポップだもんね。

は) ポップすぎたっていう。で、『シンドラーのリスト』で、自分こっち系もいけるんでって撮ったのが『シンドラーのリスト』なんですよね。

上) うーん。

は) それまではエンタメしか撮れない人って思われてたんですけど、

上) だってイメージないもん。

は) 実力も。

上) リストの。

は) かなりね、きつい映画というか、重い映画なので。

上) なんか『E.T.』とかから考えるとね、ジャンル違いすぎるって思いますよね。

は) で、これね、スピルバーグ自身もユダヤ人なんですよね、実は。で、なんかもう描かないといけなかったというか、その人生で、これは取り上げざるを得なかったみたいな感じを言ってますね。しかもこの作品のギャラはもらってないそうです。スピルバーグ、全部寄付。

上) あー、すごいね。

は) すごいね。あと、同じ年にね、出してるんですよ。

上) あ、そうなの。

は) 93年、同じ年なんですよね、『ジュラシック・パーク』と。

上) すごいな。

は) ポーランドで撮影しながら、恐竜を遠隔でチェックしたりとかしてたらしいっていう。

上) すごいね。

は) そう、っていうスピルバーグですね。

上) それはやっぱ、90年代にめちゃくちゃ名前を聞いたはずだね。そんな大活躍してたならね。

は) 30年前なんで、40何歳、50歳前後ぐらいですかね。で、やっとオスカー取って、世界一の監督になったっていうところですね。

『フェイブルマンズ』はスピルバーグ映画の答え合わせ

は) で、4本目紹介したいのが、この後もヒットは飛ばすんですけど、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』とか『プライベート・ライアン』とか飛ばすんですけど、2022年ですね、

上) 急に。

は) 4年前に『フェイブルマンズ』っていう映画を出します。これがですね、スピルバーグの自伝的映画なんですよね。

上) んー。

は) 少年時代のスピルバーグが8ミリカメラを回し始めるんですけど、で、親が離婚してくっていう話。

上) はい。

は) で、これ撮ったとき76歳なんですけど、

上) んー。

は) 初めて自分の話を全部出したというか、

上) んーんー。

は) 出したそうですね。で、この『フェイブルマンズ』の中で、いろんな映画の、

上) うん。

は) なんていうのかな、ネタバレじゃないけど、

上) うん。

は) 参照元じゃないけど、答え合わせのように出てくるんですよ、この映画。

上) 『君たちはどう生きるか』みたいな(笑)。

は) あー、近いですね。でも、

上) (笑)

は) しかもあのー、

上) ははははは。

は) 上映されたのも2022年なんで、

上) ははははははは。

は) 多分同じくらいだったと思うんですけど。結構ね、映画館で見たとき、これを最後の作品にするつもりなのかなって思うくらい、今までの映画の答え合わせがいろいろあって。そのさっき言った、『E.T.』の父親がいないっていう設定とか、『ジョーズ』のサメを見せない撮り方の話とか、あと宇宙もですね、宇宙見上げる話があったり、天体観測の話だったかな、とかあったりで。

ユニバーサル・スタジオに通い続けた17歳

は) スピルバーグ青年ですね、17歳になった時に、ユニバーサル・スタジオに行くんですよね。ユニバーサル・スタジオって、観光バスがバスツアーをやってて、ここがスタジオですみたいなツアーがあるんですよ。それにスピルバーグ参加して、トイレ休憩の間にその団体から抜け出して、

上) うん。

は) 売店の影に隠れるんですよ。ツアーが帰った後、勝手に中を歩き回るんですよね。

上) うん。

は) で、迷子になったところで、その中の人ですね、責任者の人に見つかって、最初怒られるかなと思うんですけど、なんか面白がられて、3日間の通行証をもらうんですよ。

上) うん。

は) もう自由に来ていいよと。で、3日間来るんですけど、4日目、パスは切れてるんですよね。

上) うん。

は) スーツ着て、ケース持って、普通に守衛の人に手を振りながら、スーッと正門入って、

上) うん。

は) そのまま中入れたんで、

上) うんうん。

は) その夏中ずっと毎日それで通い続けるっていう話があるんですよね。

上) えへへへへへへへへ。

は) で、そのユニバーサル・スタジオの中で、勝手に自分の席を用意して、なんか雑用を勝手にやり出すんですよ。

上) うんうんうん。

は) 発注書の整理とか。

上) うん。

は) やってたら、お前面白いなっていうところで採用されて、ユニバーサルと契約するっていう。

上) へー。

は) その話も、映画でもあるし、実話でもあるっていう。

上) へー。

は) そうですね、そんな感じですね。

上) じゃあ、スティーブン・スピルバーグは何者って思ったら、それ見るとその分かるわけなんですね。

は) 見たらいろいろ分かりますね。

上) ちょっと気になるな。

は) 結構面白いです。本当、人一人の人生を追体験というか、

上) うんうんうんうん。

は) 覗き見できる感じなんで。

技術を見せないのが技術

は) またね、本当スピルバーグって、映画作りが上手いんですよね。

上) うんうんうん。

は) 話のストーリーテリングもだし、撮影もだし、人が映画を見るとき、どうやったら飽きないかが完璧に分かっている人みたいな印象を受けますね。あと特徴的な撮影で、結構カットを切らないんですよね。

上) あ、そうなんだ。

は) スピルバーグって長回しで撮るんですけど、ただ長回しって気づかせないように長回し撮るみたいな、

上) うーん。

は) のが多いので、なんかスピルバーグ作品を見るときは、人の顔をよく撮るなとか、長回しだなっていうところに気づくと、なんか一歩面白いですね。

上) っぽい撮り方みたいな。

は) 一歩先で見れる感じ。

上) あ、スピルバーグっぽいやつ出るみたいな。

は) あー、っぽいなーって。『ジュラシック・パーク』でもやってるんですよ。恐竜が最初出てくるときに、

上) うん。

は) 人の顔を撮って、恐竜も足しか見せなくて、ずっと顔を撮って、対象を見せて、また顔にするみたいな手法がめっちゃ多いです。

上) なるほど。

は) そんな感じですね。スピルバーグがエンタメって言われるのって、多分そういう、色々超絶技巧な作品作りやってるんですけど、

上) うんうん、そうだね。

は) ですよね。

上) 技術とか、そんなの全然意識したことないよ。

は) 映画作る人たちの教科書とかには、

上) うんうんうん。

は) 当然載ってる人なんですけど、じゃあ何がすごいかって言ったら、技術を見せないのが技術みたいな感じですね。

ジョン・ウィリアムズという相棒

は) あとはですね、スピルバーグを語る上で欠かせない人がもう一人いまして。

上) はい。

は) 『ジョーズ』、『E.T.』、『インディ・ジョーンズ』、『ジュラシック・パーク』、これ共通する人がいるんですよ。

上) 誰。ああ。

は) ジョン・ウィリアムズですね。

上) ああ、はっはっはっは。

は) 作曲ですね、音楽。もう『ジョーズ』のテーマ、『E.T.』のテーマ、『インディ・ジョーンズ』のテーマ、『ジュラシック・パーク』のテーマって、すごいじゃないですか。

上) うん。

は) これ全部ジョン・ウィリアムズ。自分もコンサートに行きましたね、ジョン・ウィリアムズの。

上) へぇー。

は) それはジョン・ウィリアムズ指揮じゃなかったんですけど、

上) うんうん。

は) ジョン・ウィリアムズの曲をやるコンサートみたいなのに行きました。

上) へぇー。

は) やっぱ音楽がいい。

上) まぁね、印象に残ってますよね、どの映画も。

は) 映画音楽といえばみたいな、

上) うんうんうん。

は) 感じありますね。『ディスクロージャー・デイ』、これはジョン・ウィリアムズなんですね。

上) へー。

は) ジョン・ウィリアムズ、タッグ。

上) 生きてたんですね。

は) ウィリアムズ、今ね、94歳です。

上) 曲作ったの?

は) そう。

上) すごいね。

は) 94で。

上) すごいね。80歳と94歳で、すごいな。

は) あのね、本当にこれが最後かもって思ってますね。

上) そうだね。

は) いよいよ。

上) そうだね。うーん。

は) 『フェイブルマンズ』も確かジョン・ウィリアムズだったんですよ。で、その時もこれで最後かもと思ったけど、

上) うーん。

は) ちょっと本当に最後かもしれんっていう。

上) そうだね。

は) うん。

上) 94の曲作るのすごいな。

ジョージ・ルーカスと交換した2.5%

は) すごいですね。それとですね、スピルバーグ、『スター・ウォーズ』とも結構関わりが強くてですね。

上) はい。

は) というのも、『スター・ウォーズ』の監督、ジョージ・ルーカス。だいたい同じ年ぐらいで、同じぐらいに出てきた友達なんですよね。

上) うん。

は) 売れたのはスピルバーグがちょっと先なんですけど。で、エピソード6をスピルバーグに頼んで監督をやるっていう話がちょっとあったんですよ。本人も結構やる気だったんですけど、なんか会社的な理由、事務的な理由でダメになって。なんか監督協会と揉めたらしくて、でできなかったっていうのがあって。ただ、それより前ですね、公開して、最初ジョージ・ルーカスはあんま自信なかったんですよね。今回の映画はちょっとあんま売れんかもしれんと思って、国外に逃げてたんですよ。アメリカにいたらなんか言われるかもしれんけん、バカンスに行ってたんですよね。そこでスピルバーグと合流して、浜辺で砂のお城とか作ってたらしいんですけど、その時スピルバーグ、『未知との遭遇』撮ったばっかだったんですよ。だけど、お互いの映画の取り分の2.5%を交換しようっていう話になったらしいんですよね。『スター・ウォーズ』の収益の2.5%をスピルバーグにあげて、スピルバーグの『未知との遭遇』の収益をルーカスにあげるって。

上) うんうん。

は) その結果、『スター・ウォーズ』バカ売れしたじゃないですか。

上) うん。

は) スピルバーグ、未だにお金入り続けてるらしいです。

上) えへへー。なに、『スター・ウォーズ』のが売れてるの。

は) 『スター・ウォーズ』の方が『未知との遭遇』よりかは売れてますね。

上) あー、そうか。そういうことね。

は) あとは『インディ・ジョーンズ』ですね。『レイダース』の神殿の壁にC-3POとR2-D2が彫ってあったり、あと『E.T.』のハロウィンのシーンでヨーダが出てきたり。

上) うん。

は) 結構モチーフとしていっぱい使ってあげてる。

上) あ、そうなんだ。2.5%入ってくるからじゃなくて?

は) 逆にそれもあるかもしれないですね。せっかくお金もらってるからっていうのもあるかもしれないですけどね。逆にジョージ・ルーカスの方も、『スター・ウォーズ エピソード1』にE.T.の種族がチラッと出てきたりとか。

上) いるね、E.T.みたいなやつ。

は) そうするっていう、仲良しエピソードがありますね。

上) うん。あー、仲いいんだ。よかったね。

自伝のあとに、もう一度宇宙へ

は) といった感じですね、スティーブン・スピルバーグ。

上) なんかね、その、なんだっけ、一個前の作品で、ある意味、そうそう、自伝的なやつ撮った後の、もう一回宇宙人、宇宙人っていうか宇宙みたいなのって、ちょっと期待感ありますね。

は) 『フェイブルマンズ』。うんうんうん。

上) もう撮り終わってる感あるからね。ここで攻めのやつ来そうじゃないですか。

は) そうそうそうそう。自伝やった後にもう一発やるって、結構勇気いるというか、

上) うーん。

は) 本当それで人生締めみたいなとこあるじゃないですか。

上) うんうんうん。

は) 宮崎駿もね、あれ出した後何撮るんだっていうのありますし。

上) うんうん。

は) 自伝って結構取り扱い難しいんじゃないかなと思うんですけど、その後に『ディスクロージャー・デイ』ですからね。開示の日って、本当になんか知ってんじゃないかなって思いますけどね。

上) 宇宙人やり損ねた人生の集大成やるってことじゃないですか。

なぜ日本だけ4ヶ月遅れなのか

は) この『ディスクロージャー・デイ』ですね、本国ではもう公開されてて、結構評論家の評価高いんですよ。

上) うんうん。

は) アメリカではそこそこ夏映画としてヒットしてるんですけど、なんで日本は4ヶ月遅れたのか、なんで10月なのかっていうのが言われてますね。

上) 都市伝説ですか、人物的なやつ。

は) 結局、日本の映画館って今、洋画流行らないんですよね。

上) あ、そうな。

は) もう全然見られないんですよ。

上) 『ちいかわ』とかじゃないと。

は) 『ちいかわ』とかじゃないと。

上) へー、そうな。

は) そうなんで。今年の夏ですね、『ちいかわ』もあったし、『キングダム』があったし、『トイ・ストーリー』があったんですよね。

上) はいはいはい。

は) その辺に挟まれてたんで、ちょっと逃げたんじゃないかっていう考察がありますね。

上) なるほどね。

は) 夏は、日本の夏はちょっと分が悪いっていう。アメリカではね、ちゃんと夏映画として出したんですけどね。

上) まあね、もう年も年だしね。何発も撃てませんから、最後バチッと、

は) バチッと。

上) いきたいと思ったら、隙間を縫っていきたかったんですかね、やっぱね。

は) 10月っていうのがね、またね、『踊る大捜査線』とバチッと当たるかも。

上) 無理だね。どこに行ってもなんかあるだね。

最初の1本は何から観るか

は) といった感じで、今回スティーブン・スピルバーグ回でしたね。

上) いやー、いいですね。懐かしさあり、知らない最近のスピルバーグのことも知れたんで、なんかアップデートされたっていう感じでした。今日はE.T.で止まってるんでね。

は) またこのね、こういう監督ベースで映画見るっていうのもなかなか、

上) うんうん。

は) オツなもんですよね。

上) ねえねえ。

は) 一本やっぱり、この人が描きたいものというか、こういう人生だからこういう映画を撮ってきたんだなみたいなのが、全体像が見えるとね、面白いなと思いますね。もしスピルバーグ作品見たことないっていう人は、『E.T.』か『ジョーズ』かな、勧めるなら。

上) 初手。

は) 初手、初手『ジョーズ』かな。

上) 『ジョーズ』見たことないんですよね。

は) いや、今見たら結構半分勉強みたいになっちゃう感もあるかもしれないですね。面白いけどね、めっちゃ面白いです。『フェイブルマンズ』から入るもありかもしれないですね。

上) こういう人が撮った作品を知るために最初に見るみたいな。

は) それもいいかも。『フェイブルマンズ』かも、一番おすすめは。

上) ちょっとね、『フェイブルマンズ』は逆に僕は見たいですね。スピルバーグ何者ってすごい思うようなお話だったんで。

は) なんかどっちもありますね。『ジョーズ』、『E.T.』とか他の作品見て『フェイブルマンズ』見たら答え合わせが楽しいし、

上) ああ、確かに。

は) 『フェイブルマンズ』見て他の見たら、子供の頃あれがこうなったのかみたいなのも、

上) はいはいはい。

は) 見えますね。うん。といった感じで、この番組の文字起こしや関連記事はCULATIVE.comで掲載されてますので、そちらもぜひご覧ください。それではまた、さよなら。

上) さよなら。

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